9.波乱

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「急になに…を」 したから見上げる先輩の顔が影がかって少し背筋が冷えた。 てかフェロモン田中って言った、、? 「聞きな、きみの事嫌いじゃないからここまでしてるんだ。メガトン級に警戒心が無く鈍感なきみに教えてやるよ」 ここで茶化す勇気は俺にはない。 「田中くん、きみはまあ普通だ。どこにでもいそーなやつ、」 はい、知ってます!自分が一番知ってます! 「パッと見はね。じゃあ何が問題か、それはその目と口元だ」 「目と、口元…?」 「ああ、ここと、ここ」 いつぞやかやられたみたいにまた先輩が指先でおれの顔をなぞる。 ゾワ 「田中くん、きみは自分ではわからないだろうが、夏目くんに劣らずの魅力があるようだ。見目こそ普通だが、何らかのフェロモンがでているかのような、ね」 「はあ…」 夏目に劣らずの魅力が俺に…? いやないないない(笑) 先輩のことマトモな人だと思ってたのに…。 口には出さないが心の中はこうだった。 「そしてメガネがない今、きみのフェロモンはダダ漏れってこと、今日異様な視線に見舞われなかったかい?」 「えっ何故それを!!」 自分の思い違いと思っていた事を先輩に当てられ驚きを隠せない。 もしや先輩は特殊能力の持ち主… 視線は間違いじゃないのか…?? 「とくにキミのそのホクロ、エッチなんだ。そろそろ自分への意識を変えたほうがいい。この学園で生きやすくするためにもね」 「………」 「ブッッッッ!!」 もうむりげんがい おれは吹いた。
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