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「どーやったら今の会話でそれがああしてそんな解釈になるんすか」
謎すぎる、この先輩謎すぎる。
多分おれはいまマジの困惑顔をしている。
「いやーごめん、なんか田中くん今日メガネないしそんな顔であんな褒められたからさ正直、」
そこで言葉に詰まった先輩。
なんだ、正直なんだ!”正直きもい”?”正直うっざい”??どっちなんだい!!!つってーー…
「正直、ムラムラくる」
「すいませんぼくそろそろ行かないと、へへ」
素早く出口側に立っていた先輩の小脇を抜けてだっしゅつを試みる。
残念だ、西園先輩も頭が…
「ちょいまちちょいまち」
ガッとうでをつかまれ逃走は失敗した。
「いや先輩すいませんがさっきの冗談はおもろくないですよ?!修行し直しては?」
ムラムラて!美形の西園先輩の口からムラムラて!!
「いや冗談〜?!ひっどー!やっぱ田中くんいいキャラしてるわ」
あっはっはと笑ってそれでも腕は解けない。
ち、ちから〜!!?
「あ、あのぉ…!」
ほどけねえ…
ふぅ、と先輩が一息。
「なあ田中くん、まえ忠告してやったよな?あれからそんな時間は立ってないと思うんだけど...」
「ちゅうこく…」
「そう、…その顔は記憶にないか」
なんだ、忠告って
ダンッッ!
ガチャ!
「っ、」
「優しい先輩が、フェロモン田中くんに、最後の忠告だよ?」
先輩の急な奇行にあたまが働かなかった。気づけば個室の便座に座らされ、下から先輩を見上げる形になっていた。
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