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笑って、穏やかな口調でそう口にする愛也。
かと思うとちょっと照れたようにこう言う。
「……新婚旅行だから。
二人の時間が欲しくて」
可愛い。
いつも、自然で素直な愛情がたまらなくて。
「んん」
スッと、横から近づいて唇の温度を交わす。
「そういうところ好き」
その愛くるしさから頬を指の甲で撫でると、
こちらを見上げた瞳がほんのりとつやめく。
入籍からは1年経つが。
結婚式をつい先日挙げたばかりの新婚夫婦。
だから、容易にスイッチが入ってしまって。
『もっと』とまなざしで続きを募られると、
すぐに触れたくなって。
もう一度しっとりと唇を重ねると見つめて、
今度は、顔を傾けて深く食むように触れる。
思えば、こんな風に触れ合うのはいつぶりだ
ろうか。
最後に抱いたのは結婚式の3日前か4日前。
初夜は、翌日の夜に持ち越すとしていたが、
愛也が風邪を引いていた時はもちろん自分も
仕事が忙しくてそんな余裕がなかったから、
こういういちゃいちゃとかスキンシップは、
おおよそ2週間ぶりだ。
一緒に暮らすようになってここまで間隔が空
いたのは初めてだった。
「んっ」
親指で、少し開かせると隙間から絡めとる。
熱さと、甘いくらいの感触が気持ちよくて、
角度を変えながら濃密な口づけを繰り返す。
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