2年後のふたり

27/33
前へ
/188ページ
次へ
こんなに甘えてくれるところが見れるなら、 タイミングや間隔が空くのも悪くはないな。 そう思いながら口元を緩めて腰を抱いた時、 耳朶に唇が近づいたと思うと舌が這わされ、 ゆっくりと舐めていく。 それは、悪戯っぽいスキンシップとは違う、 大胆かつ淫らな愛撫で。 敏感な場所をくまなく愛でられた気がして、 背筋が、ぞくぞくする。 「……。 直生が、もっと気持ちよくなってくれたら、 嬉しい」 耳元に、熱い吐息混じりにそう告げられる。 「うん。 ……めちゃくちゃいい」 蕩けて、ことさら甘美になった心地よさに、 思わず、吐息をこぼす。 かけがえのない時間は愛情を確かめて示す、 とても、大切な機会で。 愛する妻の悦びが自分の喜びであるように、 妻にとっては夫の悦びがそれと一緒なのだ。 「でも、それなら俺の方がもっと思ってる」 汗だくになった肌身をぴったり触れ合わせ、 ずんっ、と突き上げる。 ぴくぴくと震える体の痙攣が収まるまで待ち きれず、埋めた自身を性急に引きずり出し、 また容赦なく奥深くに届くよう押し込むと、 愛也は、声にならない声をあげて背中に爪を 立てた。 「ああ!ん……、んぅ」 もう何度こうして唇の熱を分かち合ったか、 それさえも分からない。 熱くて、とろけそうで。 くしゃくしゃになったシーツの波間の数が、 情事の淫蕩さを物語る。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1039人が本棚に入れています
本棚に追加