2年後のふたり

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次の日。 13時。 久しぶりに家族揃って昼食をとったその後。 「悠生、よく眠ってる。 パパがおもちゃでたくさん遊んでくれたおか げです」 息子を、ベビーベッドに寝かせたところで、 愛也が、ソファに座る俺の隣にやって来て、 母親の表情を浮かべる。 今日は、天気も良くて。 家族と過ごす昼下がりはとても心地よくて、 自然と笑顔がこぼれる。 「ついこないだ掴まり立ちしたと思ったら、 最近は、ちょこちょこ走ったりするもんな。 はしゃいで可愛かった」 「ふふ、早いですよね。 小さいながらもやっぱり理解してるのかな。 仕事で朝が早い日だとこうはいかないから、 パパと思いっきり遊べて嬉しかったみたい」 二人で、息子の成長に笑みを浮かべながら、 まったり言葉を交わす。 先月から冬物の撮影が続いたからだろうか。 今週は、割とスケジュールがゆったりめで。 この後、1時間後にここを出て移動したら、 メーカーと現在進行中の企画の打ち合わせを 2時間ほど行う予定だ。 大嶋さんからはそれで帰れると聞いている。 帰宅が早いのは嬉しい。 帰りを待つ妻と息子の顔がそれだけ早く見ら れるし、3人で過ごす時間も増えるからだ。 子供の『今』は本当にあっという間なので、 可能な限り側にいたい。
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