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この秋、誕生日を迎えた息子の悠生が２歳に
なった。
ついこないだまで赤ちゃんだった気がしてい
たのに、あっという間にすくすく成長して、
今では、目を離せないほどわんぱく盛りで、
朝から晩まで体力勝負。
慌ただしくも満たされた日々を送っていた、
ある日。
「ちょっと会わない間にすっかり大きくなっ
たねー」
１４時。
マンションに遊びに来てくれた香坂さんが、
ラグに座っている悠生の姿を見てほほえむ。
夏頃にここで会った時はボブだったけれど、
やっぱり自分には短い方が落ち着くのだと、
最近カットしたらしい。
長身で、パンツスタイルがサマになるから、
ラフで無造作なショートヘアもよく似合う。
「はい。
もう２歳になりました」
私はキッチンで二人分の温かい紅茶を用意し
ながら、笑顔で答える。
勤めていた頃に親しくさせてもらった香坂さ
んとは、休職してからも変わらない間柄で。
『元気？最近どう？』と連絡してくれたり、
こうして訪ねてきては息子の遊び相手になっ
てくれる優しい先輩だ。
「今度はこれがいい？」
コートを脱いだ香坂さんにおもちゃで遊んで
もらい、上機嫌らしい。
悠生の楽しそうな声がキッチンまで届いて、
こちらまで嬉しくなる。
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