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仕事は、いつかは復帰したいと思っていた。
ただ具体的な時期に関してはまだ未確定で、
もうしばらく家庭に集中するつもりでいて。
けれど、子供が3歳を迎える頃というのは、
赤ちゃんぽさが抜けてできることが増えて、
いつもべったりだったそれまでと比べたら、
一つの区切りというか。
女性として自分自身のことを考え行動する、
いい機会かもしれない。
「今は、すぐお返事はできないんですけど。
主人とも話してみます」
少しずつ本音を述べると香坂さんは頷いて。
「うん、急がないからゆっくり考えてみて。
私から、久保田さんには伝えておくからね」
と言い、ふんわりと口元を緩めたのだった。
その夜。
撮影で遅くなった夫の直生が帰宅したのは、
21時。
時間が時間なので軽めにうどんを用意して、
あと作り置きのおひたしと白和えも添えた。
11月に入ってからというもの撮影続きだ。
しかも、コラボやらプロデュースやら企画の
打ち合わせを合間にいくつもこなしていて、
まさに引っ張りだこのハードスケジュール。
そういう生活をずっと送ってきたとはいえ、
最近は、だいぶお疲れモードであることが、
私から見ても分かって。
大丈夫かな?と体調を心配している日々だ。
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