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「俺は愛也の味方だよ。
二人で一緒に頑張ろう」
「はい」
穏やかな表情を浮かべた夫に頭を撫でられ、
自然と、私もほほえむ。
そうだ、一人じゃない。
病める時も健やかなる時も一緒にいようと、
どんな時も二人三脚で乗り越えていこうと、
あの日、確かに誓った。
まだ起きてもいないことをあれこれ考えて、
不安視したり思い悩むのはそれこそ杞憂だ。
これからも一つ一つ話し合って向き合って、
積み重ねていけばいい。
「あと、これは本当に個人的な意見だけど。
俺はやっぱり生き生き仕事してる愛也も好き
だから。
奥さんのそういう姿を見守っていたいかな」
直生は、私の肩を抱きながら笑顔で述べて、
再び後押ししてくれる。
幸せだ。
そっと、一歩踏み出す勇気を与えてくれて、
こんな風にいつも寄り添ってくれる夫には、
ただただ感謝しかない。
「私も。
モデルの仕事に一生懸命な直生も好きだし、
心から、尊敬してます」
言葉にすればその気持ちがより一層深まる。
相手が、仕事に励めるよう家庭を守るのも、
妻であり母親でもある自分の役割なのだと。
１年後、やがて始まるワーママ生活に向け、
あらためてそう決意を新たにした時だった。
スッと、隣から近づく気配がしたと思うと、
今度は唇を重ねられた。
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