後日談 第5話

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「あと少しで、みんなこの家から出て行っちゃうのね。寂しくなるな」 「そうですね……、あ」 そうだ。ずっと、何か大事なことを忘れているような気がしてたんだけど、思い出した。 春との交際をおじさんに認めてもらうことに必死で、もうひとつ、大事な話をしていなかった。 というか多分、春も忘れてるっぽい。 「あの、おばさん」 「なあに?」 「えっと、すっかり言い忘れてたんですけど」 大事な事だから、私から話しておかなきゃ。 そう思って口を開いた私が声を発するのと、キッチンにおじさんが入ってくるのは、ほぼ同時だった。 「うぅ……母さん胃薬をくれ……もうだめだ精神的ダメージが……あああ俺のもかちゃんが……」 「4月から春と同棲しようと思ってるんですけど」 「……………………。」 直後、背後でガタッと音がした。 私とおばさんが入口を振り返る。 視線の先に、白目をむいて後ろにぶっ倒れていくおじさんの姿があった。 「あらあら」 「………」 ………タイミング悪いです。
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