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1カ月遅れの誕生日会
その日、ロロ……ロサロニア・イドル・サマハザンフィル姫は淡いピンクのドレスと花の飾りを付けて笑顔に囲まれていた。隣にはロロよりもうねりが強めの少女、傍らには黒髪の守護司の少年。
「2人のロサロニア姫、私の愛する娘達、誕生日おめでとう」
「12歳の誕生日おめでとう」
「……私、こんなところにいていいのかい?」
「ミツカ殿は王宮占い師です。遠慮なく祝いに参加してください。娘が何よりも望むことです」
落ち着かない様子ながらも幸せそうに笑う姫君を見つめて満足げに頷き、手を振ってくるロロに手を振り返す。
平民として生きていた2人が王様達に引き合わされ、謝罪され、望みを問われた。ロロは今まで姫として生きていたロサロニアが罰を受けることもミツカとの別れも望まなかった。王達は願いを叶えた。
「王様、諸悪の根源はどうしたのですか?」
ファウロニアは娘達に見えないように冷たい笑みを浮かべた。
「今頃、私の書簡と共に騎士が向かっていますよ。おめでとうと言ってあげましょう。望み通り有名になるのですから。誰もが知る反逆者として」
ミツカは微笑った。とりあえず、大団円。めでたしめでたし。
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