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「好きに……!?」
ホント!?ウソ!?
ウソは嫌だから、ホントよね!?
私の妄想の世界とか、夢の中とかじゃないよね!?
「……軽い気持ちじゃないからな。好きでもない女を家に上げたりしないし。」
一年以上前から澤田さんのアパートに上がりこんでましたけど……
まさか……そんな前から?
「高畑に告白するために塩崎が頑張ってると思うと、いっそ告白の手伝いなんてやめてやろうかと何度も考えた。けど、塩崎と一緒に過ごせるなら……とサポートを続けたんだ。……どんな理由であれ塩崎と一緒にいたかったからな。」
突然の澤田さんの告白に、嬉しすぎて……驚きすぎて、頭の中がぐるぐるしてる。
「……クソッ。……自分の気持ちなんて、言わないつもりだったのに……。大人の対応で、抱きしめてすぐ離すつもりだったのに……。抱きしめたら離したくなくなっちまった。離したくないと思ったら、俺のモノにしたくなって…。……つい気持ちを言っちまったが……。嫌だよな?突然、なんとも思ってない男からこんなこと言われるの……。」
ゆる……と、澤田さんの腕の力が緩んだ。
……イヤっ!
離れたくないっ!
「私もっ!」
離れたくないと思った瞬間、私は澤田さんを抱きしめる腕の力を強め、ギューッと抱きついた。
「私も好きなのっ!」
「えっ…?」
澤田さんが驚いたように……戸惑ったようにビクッと体を震わせる。
「…確かに、最初は高畑主任に告白するためにってところからのスタートだったけど……、澤田さんが『頑張ったな』って言ってくれるたびに嬉しくて……いつからか、ダイエットを頑張る理由が、澤田さんに褒めてもらうことになってて……。」
「…俺に…褒めてもらう……か。」
抱きしめたまま澤田さんは、私の頭を優しく撫でてくれる。
「……なら…さ。これから、いくらでも褒めてやる。……だから、真琴、俺の女にならないか?」
「………うん!……うんっ!なるっ!」
答えなんて決まってる。
私は嬉しくて嬉しくて。
泣きそうなくらい嬉しくて。
澤田さんの胸の中で、何度も何度も強く頷いた。
END
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