花吹雪、舞う

3/28

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
亮子はニコチンもタールもゼロの電子タバコの煙…、この場合は水蒸気になるのかな、を天井に向かって吐いた。 「で、その男の仲間と連絡は…」 優子は首を横に振る。 「彩佳の話では、マッチングアプリからアカウントも綺麗に消えて、メッセージも既読にならないって」 私は何て声を掛けてあげれば良いのかもわからず、とりあえず優子の話を聞いて頷いていた。 「警察行く」 智里が優子を覗き込む様に見て声を掛けた。 優子は振り乱した髪で顔を隠したまま、頬杖を突く。 「それも考えたけどさぁ、彩佳も春美も嫌だって言うのよね…」 まあ、そうよね…。 「病院とかは…」 亮子が電子タバコをテーブルの上に置いて、脚を組み直した。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加