#6 不良狩り

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キョウチョウ「ボス…兄貴に?何でだ?」 相良「…確かめたい事がある。」 キョウチョウ「俺は馬鹿だから、難しい事はわからない。」 悪い事をしている自覚はないが、馬鹿というのは自覚してるんだな。 キョウチョウ「だから俺は強い奴に従う。わかりやすい。俺の兄貴は強い。俺なんかは全然歯が立たない。だから、何でもいう事を聞いてきた。強い奴が正しいって。」 相良「…そうだな。それじゃこうしよう。その兄貴は、きっと間違った事をお前に教えてる。だから、俺がそいつをボコボコにしてやる。そうしたら、お前はもうこんな事をしなくてもいいだろ?」 キョウチョウ「…」 キョウチョウという男は、そんなに悪い奴じゃなさそうだ。 不良の中にも、こんな純粋な奴もいるんだな… キョウチョウ「…わかった。俺の兄貴は、いつもの飲み屋で飲んでるはずだ。けど…」 相良「何だ?」 キョウチョウ「お前が兄貴に負けたら、俺は兄貴の言うことを聞く。」 相良「あぁ、好きにすればいいさ。」 キョウチョウの案内で、兄貴のいる飲み屋へと向かう。 少し離れた後方からは、尾賀と聡美がついてきていた。 この二人は、あくまで様子見といった所だろう。一度も手を出す事もなく、相良の不良狩りを止める気配もない。 そして、今向っている兄貴という男は三国同盟のトップではなく、青のチームのボスだ。 どんな奴かとキョウチョウに聞くと、女と酒が好きで、毎晩の様にキャバクラ等に通い、女を連れ帰る、お触り、挙句の果てに飲み代も払わずに好き放題しているとの事だった。 その話を聞いて聡美が「クズが」と呟いて怒り心頭という様子だった。 更には「遠慮なく徹底的に痛みつけろ」と相良へと自分の思いを伝える。スナックのママをしている紗栄子からすると、こういう輩が一番許せないのだろう。 何故これほど好き勝手できるかというと、喧嘩については三国同盟内では一番強く、大概の事は力で捻じ伏せてきたらしい。 更に、かなりのイケメンで女にもモテるらしい。 これは殴り甲斐がありそうだ。 そして、そいつを止めれる奴もいない、抑止力が無いこの町では、強い奴が増長するという事だ。 キャバクラ 桃源 店内 商業ビルの2階に位置する店舗で、最近リニューアルを行い、店内は真新しい装飾品が飾られていて、派手すぎず統一感のある店内は、お酒とキャストの女性達をより一層輝かせ、客を楽しませる事ができる。 だが、この店の中には、たったの一組しかいない。 青いジャージ姿の男がテーブルに4人、その男達の間にはキャバクラの女性が座って接客を行なっている。
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