#6 不良狩り

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ボタボタと血を流す初老の男性は、ボソボソと何かを呟いている。 「異人…連…さえいれば…お前なんか…」 如魏「はぁ?異人連?何だそれ!!馬鹿じゃねぇの!!あんな終わった雑魚組織ごときが、俺に叶う訳ないじゃん!!」 周りの舎弟も、如魏と共に笑い出す。 「そ…そんな事は…ない…この町を、お前等みたいな…悪党から…守っていたんだ…お前達なんか…敵じゃない…」 如魏「あ?何お前?俺が異人なんとかに負けるっての?最強で超かっこいい俺が?」 「あぁ…お前なんか…お前なんか…」 如魏「ムカついた。殺すわ。お前。」 如魏はテーブルに置いてあった酒瓶を手に取る。 舎弟は殺せと騒ぎ。 女性達は、恐怖から身動き一つできない。 自分達は、この男に逆らう事は出来ない、従い続けなければならないと、そう思っていた時だった。 「なんだお前!!」 店のドアを隔てて外から、別の男の怒号が店内に響きわたる。 「この野郎!!」 「グオ!!」 「ぐわっ!!」 叫び声が、悲痛な唸りへと変わった。 如魏「何だ?」 その場にいる者達が、店のドアへと視線を送る。 唸りも消えて、静かになった時 ドン!! 店のドアが破壊され、気絶した2人の男が店内へと投げ込まれた。 相良「これは、どういう状況だ?」 ドアの向こうから相良が現れ、店内を見渡す。 テーブルにいる数名の男女 酒瓶を手に持つ長身の男 そして、血を流す初老の男性 相良は、ゆっくりとした足取りで店内へと入ってくる。 その後ろからは、尾賀と聡美がついてきていた。 ここまで案内をしたキョウチョウは、この場にいると面倒な事になると思い、外に待機させ、頃合いを見計らって入ってきてもらうようにしていた。 長身の男、如魏の足元で血を流す初老の男性の姿を見た尾賀と聡美は、急いで駆け寄った。 尾賀「おいあんた!!大丈夫か!?」 聡美「ひどい怪我、すぐに手当しないと。」 「私の事より、あの子達を…」 尾賀「おう。わかった。」 聡美は、店内のカウンターまで男性を運び、そこにあったおしぼりや氷を使い、怪我の応急処置を施す。 尾賀はテーブルに座った女性の元へ行き、この場から離れるように誘導する。 「何だお前は!!」 その尾賀に抵抗しようと、一人の舎弟が尾賀へと殴りかかるが、尾賀はその拳を受け止め、ぎりぎりと締め付ける。 尾賀「やめた方がいいぜ。お前等じゃ俺の相手になんねぇよ。それに、お前等の相手は、あいつだ。」 「いたたた!!はっはなせ!!」 男は拳を振り解こうとするが、尾賀の強い握力に自分からは振り解けないでいた。 そして、尾賀はその締め付けをやめ、女性達を聡美のいるカウンターへと退避させる。 相良「…」 如魏「…」 この間、如魏は聡美と尾賀を気にするそぶりを見せず、ただ一点、相良だけを視界に捉えていた。 相良「お前がボスか?」 如月「お前?随分偉そうに聞いてくるな、チビ。」 相良の身長は170センチほどで、如魏はそれより大きくざっくり180センチぐらい、体格では如魏の方が優っている。 ゆえに、如魏から相良に対して挑発的な言葉が向けられるが、相良は少しも気にしている様子はなかった。
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