#6 不良狩り

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相良は、如魏の顔を執拗に痛めつけている。 徹底的に、淡々と、まるで作業のようだった。 如魏では、相良の相手にならない、最強と謳われていた如魏が一方的に痛めつけられている。 尾賀「あれ怒ってんのか?」 聡美「多分…怒ったら、黙々と攻めるタイプね。」 カウンター越しに隠れる店長と女性達はその光景から目を離せない。 少しだけ、笑っているようにも見えた。 今まで、調子の乗って自分達に嫌な思いをさせ続けた元凶となる男が、弱々しく殴られている光景が爽快だった。 相良「どうだ?少しはマシになったか?」 相良は床に擦り続けていた如魏の顔を持ち上げて、血ダルマになった顔を覗く。 相良「なかなか男前になったな。最初はブサイクすぎて目も当てられなかった。」 鼻はつぶれ、瞼は晴れ、血と埃が顔面全体にこびりついている。今の状態の方が目も当てられた物では無いが、その顔は、ここにいる観客達には、最高の良い顔面に見えた。 最高、イカしている。 如魏「お前等!!何してる!!さっさとこいつを殺せ!!」 如魏は椅子で呆けている舎弟へ指示を出す。 相良「うーん、仲間を呼ぶのはヒーローとしてはありか。」 相良は如魏から手を離し、拘束を解いた。 その瞬間、如魏は出口へ向かって全速力で逃げ出す。 出口のドアに差し掛かった途端、大きな人影がそれを遮った。 キョウチョウ「兄貴…」 如魏「キョウチョウか!!丁度いい、お前あいつを殺せ!!」 キョウチョウ「兄貴、負けたのか?逃げるのか?逃げるのは、負けたって事だよな。」 キョウチョウは如魏の状態を確認する、明らかにボコボコにされていて、この場から逃げようとしている素振りさえ見える。 如魏「そ…そうだ!!すぐに他のチーム全員連れてこい!!」 キョウチョウ「もういないよ、兄貴。」 如魏「は?な…何言ってんだキョウチョウ?大勢いるだろが!!」 キョウチョウ「全員、相良にやられた。」 如魏「な…何だと?」 如魏は後ずさる、店の中にいた舎弟も、すでに相良にやられている。 相良「だから逃げんなよ。ヒーロー。」 如魏「ひっ離せ!!や、やめろ!!」 相良は如魏の髪を掴み、店内角にあるソファーへ連れて行き、投げ飛ばす。 相良「やっぱりお前はヒーローじゃないな、ただの雑魚戦闘員って事だ。」 相良は拳を握り力を込める。 如魏「も…やめ…て…か、顔だけは…」 顔を手で守そうとする。 相良「…」 相良はそれをすぐに手を出さず。何か考えている。 相良「いい必殺技の名前が思い浮かばない。めんどくせ。」 如魏「がぁ!!」 ただの拳が、如魏の手の平ごと顔面に一撃を食らわす。 その瞬間から、如魏から戦意は喪失、ソファーへ倒れる。
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