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現在の時刻は、日も沈み、辺りも暗くなった夜20時
一向は、ネオンライトで照らされて昼とは雰囲気が一変としたバー、エンゲージの扉を開ける。
マスター「おう。帰ったか。」
店内へ入ると、マスターが出迎えた。
慣れていると尾賀と聡美はカウンター席へと座り、相良も後に続き尾賀の横に座る。
マスター「随分と遅かったじゃねぇか。ん?そいつは?」
マスターは、一緒に入って来た横にも縦にも大きい男の事を訪ねる。
尾賀「こいつはキョウチョウって奴だ。悪い奴じゃねぇーよ。まぁ成り行きでついてきたんだ。」
キョウチョウ「お…おす。」
キョウチョウは、辿々しくマスターへと挨拶をした。
尾賀「好きなとこに座っていいぞ。」
キョウチョウ「お…おす。」
キョウチョウはキョロキョロしながら、少し離れたテーブル席へと座った。
夜だというのに相変わらず、このエンゲージには自分達以外の客はいない。
聡美「今日は営業しないの?」
マスター「あぁ、今日は町が妙に騒がしくてお客様も来ねぇから早めに店を閉めた。それに、どうせお前達が帰ってくるだろうと思っていたからな。ところで、さっきからパトカーやら救急車が結構な数が行き来しているが、何かあったのか?」
尾賀「あぁ、それはな・・・」
尾賀は、エンゲージから出てから何があったかをマスターへと説明する。
街の不良が相良を探していた事。
途中、飲食店へイタズラ行為をしていた自称自粛警察のおばちゃんを改心させた事。
電車で襲ってきた三国同盟の赤のチームの事。
相良の実家が取り壊され、両親の行方が分からない事。
もしかしたら、殺された可能性がある事。
そして、桜木町に戻り不良グループへの聞き込み兼、不良狩りをしていた事。
結果、青のチームのリーダー如魏を倒し、6年前の事を知る可能性がある劉崎という人物がいるという事。
その劉崎が、深夜0時に赤レンガ倉庫前で集会を行う事。
一日で起こった事だとは思えない内容を、マスターへと包み隠さずに話した。
マスター「という事は、この惨状は相良がやったのか。」
マスターは、驚いた様子を見せる。
尾賀「そういう事、それでこの騒ぎになってんだ。」
マスター「…出所早々、派手にやってんなぁ。」
相良「あ、いや…お騒がせして、すいません。」
尾賀「…まぁそんな事より、これ食おうぜ。」
尾賀は、相良が助けた街の人達から頂いた差し入れの入った袋を取り出し、カウンターに並べた。
マスター「おいおい、ここはバーだぞ。持ち込んだ物を堂々と食べようとすんじゃねぇーよ。」
尾賀「いいじゃねーか。相良が助けた人達からの差し入れだしよ。お前も一緒に食おうぜ。」
尾賀はキョウチョウにも声をかけた。
天然なところが、可愛げがあるのだろうか、尾賀とキョウチョウは、気がついたら仲良くなっていた。
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