#7 パーティ

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キョウチョウも加わり、カウンターに4人が座った状態で数々の差し入れを食す。 腹も減っていたのか、次から次へと平らげる。 特にキョウチョウと尾賀の食欲は凄まじく、あっという間に差し入れを平らげ、追加でマスターに食事を注文する。 正直、コンビニやテイクアウトの食べ物より、マスターが作った料理の方が美味しく、相良もそちらをよく食べた。 その食事の最中に、突然に尾賀が相良へ話を切り出す。 尾賀「なぁ…相良よぉ。」 相良「…はい?」 尾賀「お前、今日の集会行くのか?」 相良「えぇ…まぁ。」 尾賀「行くのは、やめねぇか?」 相良「えっ?」 尾賀の突然の提案に、箸が止まる。 それは、この場にいる全員がそうだった。 当たり前に行くつもりだった。 もしかしたら、両親の事を何か知っているかもしれないし、不良連中の誰かが手を出していたかもしれない。 それを知るための不良襲撃、不良狩りだった。 相良「どうしてですか?」 尾賀「俺は言葉を選ぶのは得意じゃねぇ、だから正直に言わせてもらう。お前、八つ当たりしてるだけだろ?」 聡美「…」 キョウチョウ「…」 相良「そ…そんな事は…」 尾賀「ないか?お前が青のチームと喧嘩してるのを見てたんだが、アレは喧嘩とは言えねぇ、ただの暴力だ。」 相良「それは…」 尾賀「それに、両親の事を聞くなら、もっと聞き方を考えるべきだろ?それに不良連中が知っているかもって誰が言った?誰も言ってねぇよな?お前が思い込んでいただけじゃねぇのか?」 相良「…でも、結果的には、町の人を助けたじゃないですか。みんな、感謝してくれていましたよ。」 尾賀「あぁ、確かにそうだ。お前のおかげで町の人達は助かった。それは間違いねぇが。」 相良「だったら何がいけないんですか?」 尾賀「お前…誰にそんな口聞いてんだ?」 次第に険悪になる雰囲気 聡美「ちょっとイチどうしたの?」 キョウチョウ「兄貴…」 相良「…」 尾賀「…」 睨みあう相良と尾賀。 尾賀「今は一番心当たりがありそうな東誠警備と、お前の事を知っている北村さんのからの連絡をまった方がいいんじゃねぇーか。俺ぁ一応はお前の警備代行を受けてんだ。お前の勝手な思い込みで不良連中を襲撃するのを許す事はできねぇ。」 マスター「…」 マスターはタバコに火をつけ、この事態をただじっと静観している。 相良「…頼んだ覚えは、ありません。」 尾賀「この馬鹿野郎!!」 尾賀の正拳が相良の顔面を殴る。 相良は椅子から吹っ飛び、地面に倒れこむ。 マスター「…ふぅ〜」 マスターは呑気にヤニの煙を口から吐く。 聡美「イチなにやってんの!!」 尾賀「俺の言う事が聞けねぇてのか!!あ!!」 相良「…くっ。」 尾賀の意図は分からない、だが、相良の態度に激怒している。 怒らせたら、確かに怖いと思えた。 今まで優しかった人間程、余計にそう思う。
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