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相良とキョウチョウは、マスターの話を黙って聞き続けている。
マスター「何をするか、何をするべきか、それを決めれるのは自分だけだ。そして決めたんなら、最後まで筋を通せ。お前が始めた事なんだろ?八つ当たり以外に、お前には、奴らを倒さなければならない理由があるんじゃねぇのか?その理由を頭冷やしてもう一度考えてみな。」
相良「…」
相良は、沈黙のままサバイバーから出て行く。
キョウチョウ「あ、兄貴!!待ってください!!」
キョウチョウが相良を追い席を立つがマスターが引き止める
マスター「お前、キョウチョウって言ったか。」
キョウチョウ「は…はい。」
マスター「あいつが一線を越えようとした時、それを止められるのはお前だけだ。頼まれてくれるか?」
キョウチョウ「お…おす!!ご馳走さまでした!!」
こうして、先程まで騒がしかったサバイバーの店内は、再びマスターただ一人となった。
ポケットからタバコを取り出し、口に咥えて火をつける。
煙が中に舞う。
マスター「若いもんに、偉そうに説教をするのは、年寄りの悪い癖だな…なぁ…志流よ…」
ーーー
相良「…」
キョウチョウ「兄貴…大丈夫ですか?」
相良「あぁ…」
キョウチョウ「尾賀さんに殴られた頬が赤く腫れてますけど、冷やしますか?」
相良「…いい。…キョウチョウ、一つだけ聞いていいか?」
キョウチョウ「なんすか?」
相良「理由って…なんだろうな?もしお前が戦う時ってどんな時だ?」
キョウチョウ「さっきのマスターさんが言われてた事っすか?…俺は難しい事は分からないっす。正直、マスターさんが何が言いたいのか、俺には分からないっす。」
相良「ふ…」
キョウチョウ「兄貴?」
相良「ハハハハハ!!」
キョウチョウ「どうしたんですか?兄貴?」
相良「いや、あんなにマスターさんが一生懸命話てくれたのに、わからねぇって面白すぎだろ。いやぁ久しぶりに笑ったよ。」
キョウチョウ「そ、そうすか!!はは!!でも、やっぱりいくら考えても、分からないもんは分からないです。ただ…」
相良「?」
キョウチョウ「自分の決めた事を最後まで筋を通せってのは、少し考えさせられました。俺、今まで自分で何か考えて、決めた事なかったから…馬鹿だからしょうがないって、それが楽で逃げてただけだと…。だから、俺もそろそろ、自分で色んな事を決めて行かないといけないと、そう思いました。」
相良「…」
キョウチョウ「兄貴は、何か決めてるんですか?」
相良「俺は…」
不良している連中がムカつく、それは本当の事だ。この世の中から、消えればいいと思っている。
それは、俺の彼女だった香奈への暴行を自分勝手な理由で行った事がキッカケだ。
八つ当たりや復讐、そう思われても仕方がない。
ただ…不良の身勝手で、傷ついて、苦しむ人達、香奈のような思いをする人がいないようにしたい。
そうしたいだけだ。
だから…
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