#1 東京 歌舞伎町

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相良「はい。そうですね…」 「お兄さんが突っ込んでもいいのは、健全優良店のラブマッサージだけだよ!!」 相良「いやぁ…それは流石に…俺、お金ないですよ。」 しっかり営業されていた。 話を聞けたのはありがたいが、こういう店に入るのはやはり抵抗が… 「大丈夫!!うちは1時間なんと5五千円ポッキリだ!!どうだい?」 相良「えぇーっと…」 すると、そのラブマッサージがあるビルから、一人の女性が出てくる。 「店長、お疲れ様でーす。」 どうやらこの店の従業員のようで、店長と呼ばれたおじさんへ挨拶をする。 「今日も一日ご苦労様、気をつけて帰るんだよ。」 「はぁーい」 女性の去り際、甘い匂いが微かに漂う。 背を向けて歩き出そうとするが、急に立ち止り、後退りしながらこちらへと戻って、俺を凝視し始めた。 相良「??」 「…」 女性と目と目が重なり、正直、心臓がバクバクしていた。 「相良…くん?」 相良「えっと…」 突然名前を呼ばれる。 何故俺の名前を知っている? 「リナちゃん?知り合い?」 俺は、必死にこのリナという人が誰か思い出そうと記憶を辿る、よくみたら、確かにどこかであったような…しかも最近。 女性の特徴は、黒髪で、大人しそうで、若い、顔立ちの整った可愛いらしい女性。 … バス… 相良「あっ!!確か横浜のバスの中で会った、えっと…」 この人は、俺が少年院を出て、横浜市内行きのバスで出会った人だ。 桜木町でバスを降りて、すぐに三国同盟の呉東(赤いチームのボス)に絡まれた時に助けたんだ。 そこにはもう一人金髪の子もいたと思うが…今はその姿はない。 金髪の子は、助けはしたが、俺の顔を見て逃げ出したんだったよな… それにしても、ここで働いていたのか… リナ「やっぱり!!その服、大事にしてくれてたんだね。あの時はごめん、助けてもらったのに、お礼もせずに逃げたりして…」 相良「いや、それはいいんだけど。」 リナ「でも、どうして歌舞伎町に?」 相良「あぁ、それは。」 リナ「あ、わかった。そっかぁ相良くんも男の子だもんねぇ。溜まっちゃてたの?」 なにかとんでもない誤解をされていないか? 相良「いや、そういう訳じゃないんだけど。」 リナ「えぇー本当に?だってここ、歌舞伎町の中でも一番の風俗街だよ?」 相良「だ…だから違うって…」 店長、さっきまで話てたから大体の事情は知っているだろ?頼む違うって言ってくれ、と思ったが、店長の目は獲物狙う狩人のように、俺を店に案内するタイミングを測っている。 参ったな… と、その時だった。 「お!!いたいた!!」 突然、3人の若い男がこちらへと近づいてくる。 何の用だと思ったが、男達はリナの前に立つ。 「リナちゃん!!今仕事終わったの?」 リナ「え?なんですか、あなた達は?」 リナは男達を警戒している。 「さっき俺の相手をしてもらったばかりじゃん!!もう忘れたの?ひどいなぁ。」
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