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相良「はい。そうですね…」
「お兄さんが突っ込んでもいいのは、健全優良店のラブマッサージだけだよ!!」
相良「いやぁ…それは流石に…俺、お金ないですよ。」
しっかり営業されていた。
話を聞けたのはありがたいが、こういう店に入るのはやはり抵抗が…
「大丈夫!!うちは1時間なんと5五千円ポッキリだ!!どうだい?」
相良「えぇーっと…」
すると、そのラブマッサージがあるビルから、一人の女性が出てくる。
「店長、お疲れ様でーす。」
どうやらこの店の従業員のようで、店長と呼ばれたおじさんへ挨拶をする。
「今日も一日ご苦労様、気をつけて帰るんだよ。」
「はぁーい」
女性の去り際、甘い匂いが微かに漂う。
背を向けて歩き出そうとするが、急に立ち止り、後退りしながらこちらへと戻って、俺を凝視し始めた。
相良「??」
「…」
女性と目と目が重なり、正直、心臓がバクバクしていた。
「相良…くん?」
相良「えっと…」
突然名前を呼ばれる。
何故俺の名前を知っている?
「リナちゃん?知り合い?」
俺は、必死にこのリナという人が誰か思い出そうと記憶を辿る、よくみたら、確かにどこかであったような…しかも最近。
女性の特徴は、黒髪で、大人しそうで、若い、顔立ちの整った可愛いらしい女性。
…
バス…
相良「あっ!!確か横浜のバスの中で会った、えっと…」
この人は、俺が少年院を出て、横浜市内行きのバスで出会った人だ。
桜木町でバスを降りて、すぐに三国同盟の呉東(赤いチームのボス)に絡まれた時に助けたんだ。
そこにはもう一人金髪の子もいたと思うが…今はその姿はない。
金髪の子は、助けはしたが、俺の顔を見て逃げ出したんだったよな…
それにしても、ここで働いていたのか…
リナ「やっぱり!!その服、大事にしてくれてたんだね。あの時はごめん、助けてもらったのに、お礼もせずに逃げたりして…」
相良「いや、それはいいんだけど。」
リナ「でも、どうして歌舞伎町に?」
相良「あぁ、それは。」
リナ「あ、わかった。そっかぁ相良くんも男の子だもんねぇ。溜まっちゃてたの?」
なにかとんでもない誤解をされていないか?
相良「いや、そういう訳じゃないんだけど。」
リナ「えぇー本当に?だってここ、歌舞伎町の中でも一番の風俗街だよ?」
相良「だ…だから違うって…」
店長、さっきまで話てたから大体の事情は知っているだろ?頼む違うって言ってくれ、と思ったが、店長の目は獲物狙う狩人のように、俺を店に案内するタイミングを測っている。
参ったな…
と、その時だった。
「お!!いたいた!!」
突然、3人の若い男がこちらへと近づいてくる。
何の用だと思ったが、男達はリナの前に立つ。
「リナちゃん!!今仕事終わったの?」
リナ「え?なんですか、あなた達は?」
リナは男達を警戒している。
「さっき俺の相手をしてもらったばかりじゃん!!もう忘れたの?ひどいなぁ。」
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