#1 東京 歌舞伎町

12/15
前へ
/89ページ
次へ
「こ…この野郎!!」 相変わらずの言葉を吐いてゴミだらけの男は立ち上がり、勢いをつけてこちらへと一心不乱に迫ってくる。 汚ねぇんだから大人しくしてろよ… その男の胸部へ、足蹴りを打ち込んだ。 男の勢いを上乗せし、その蹴りの威力は全て男に与えられる。 胸を抑えて倒れ込む男。 相良「失せろ!!」 止めにボールを蹴るが如く、顔面を蹴り上げる。 吹き飛んだ男は気絶した。 そして、残りの二人がフラフラと立ち上がり 「くそぉおおお!!」 そう言って気絶した男を担いで逃げ出した。 さて…ゴミを片付けないとな。 リナ「やっぱ強い…流石は…」 リナから何か言葉が漏れたが、それはハッキリとは聞こえなかった。 けど、それほど気には止めずに、近くにあった箒とチリトリでしっかりゴミを集めて片付ける。 気がつくと、そこにいる呼び込みの人や通行人の視線を集めていた。 相良「…お騒がせして…すいません。」 周囲の人に頭を下げて謝罪をする。 馴れない場所の喧嘩だ。 面倒な事にならなければいいが… そんな不安を抱いていたが、すぐに周囲の人は何事もなかった様に、普通に戻る。 ただ、二人を除いて。 「ありがとう!!相良君だったよね。おかげで助かったよ!!いやぁナイフ出された時はどうしようかと…」 リナ「2度も助けてもらっちゃった。本当にありがとう!!」 相良「いえ、なんか騒がせてすいません」 「これは何かお礼をしないとなぁ。」 リナ「そうだね。助けてもらって何もしないのもダメだよね。」 …ん? なんか…嫌な予感がする。 リナ「ねぇ店長、…」 リナは店長の耳元でボソボソ何かを話している。 「OKだ!!」 それを聞いて店長は承諾の返事をする。 なにがOKなんだ? リナ「ねぇ相良君。何か…お礼がしたいんだけど…」 相良「えっ?いや、いいよ。そんなつもりで助けた訳じゃないし…」 リナ「ダメ!!それじゃ、私の気持ちが納得しないもん!!よかったらうちの店によって行かない?」 なんだ…この雰囲気は? リナの上目使いの誘い… リナ「サービス…するよ。」 「お金の心配はしなくてもいい、私からもお礼をさせてほしい。今回は私の奢りだ!!気にせず楽しんで行ってくれ!!」 いやいや…何言ってんだこの人達? リナ「…ダメ?」 … … … 相良「ダメ…じゃない…」 結局根負けした。 いや、させられた。 こんな誘い、断れる筈がない。 だが… なんだ? この罪悪感は… 「一名様ご案内でーす!!」 リナ「行こ❤️」 相良「あ…あぁ」 そして、俺はリナに腕を引っ張られてラブマッサージの店舗へと入って行く。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加