#1 東京 歌舞伎町

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中に入ると、最初に甘い香りが漂っている。 リナが前を通り過ぎた時の甘い匂いと一緒だ。 薄暗い店内、足元を照らすオレンジ色の照明。 カーテンと簡易的な壁で隔たれた簡素な個室がいくつかあった。 リナに手を引っ張られ、一番奥の個室に入る。 そこには、低いベットが敷かれて、タオルが何枚か重ねられた棚と…ティッシュが置いてある。 リナ「さっ。服を脱いでこのパンツに着替えて。」 相良「えっ?服脱ぐの?まじ?」 リナ「うん。じゃないとサービスできないよ。」 頭がクラクラする。 リラックスしているのか、それとも緊張しているのか良くわからない。 リナ「それじゃあ準備してくるから、ちゃんと用意しといてね。」 リナは個室を出て、俺は言われた通り服を脱いで綺麗に畳んだ後、指示された薄い紙のパンツを履いた。 これから…いったい…何が始まるんだ? しばらくして、リナが個室に戻ってくる。 手には、何かが入ったボトル、そして、白い服に着替えていた。 まるで看護婦?のようなスタイルだ。 リナ「よろしくお願いします。」 相良「は…はい。」 リナ「まず、うつ伏せになってください。」 相良「…」 リナ「ちょっと…それ、仰向けだよ。」 相良「…う。」 恥ずかしさを隠す様に、枕に顔を埋める。 リナ「はい。それじゃお体触りますね。」 リナはタオルを背中にかぶせ、背中を触り始める。 リナ「綺麗な肌…それにいいスタイルしてるね。程よい筋肉…」 相良「そ…そうかな…?」 リナ「でも、疲れは溜まってるね、ここ痛い?」 首元を親指で指圧される。 相良「イタタタ!!」 リナ「ごめんごめん。うん、だいたいわかった。楽にしてて。」 相良「うん。」 それから、リナは背中、肩、腕とマッサージを続けた。 丁度いい力加減と、場の雰囲気もあるのか…かなりリラックスしていた。 気持ちいい… 何だ、普通のマッサージ店じゃないか。 それに、女の子の柔らかい手で優しく触らてるというのは、疲れた俺に癒しを与えてくれる。 リナ「ところで、さっきは冗談で聞いたけど、相良君はどうして歌舞伎町に?」 相良「…あぁ…それは…」 リラックスしている状態で、頭がボォーとしている俺は、リナに横浜で起きた事を話し始めた。 まぁ誰に聞かれても、誰にも迷惑はかからないし… いいか。 そして、両親の事の話しをした時。 リナ「え?じゃあ相良君は住むとこもないの?」 相良「そうだな…」 リナ「親御さん、心配だね…」 相良「あぁ…」 リナ「…」 相良「…」
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