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中に入ると、最初に甘い香りが漂っている。
リナが前を通り過ぎた時の甘い匂いと一緒だ。
薄暗い店内、足元を照らすオレンジ色の照明。
カーテンと簡易的な壁で隔たれた簡素な個室がいくつかあった。
リナに手を引っ張られ、一番奥の個室に入る。
そこには、低いベットが敷かれて、タオルが何枚か重ねられた棚と…ティッシュが置いてある。
リナ「さっ。服を脱いでこのパンツに着替えて。」
相良「えっ?服脱ぐの?まじ?」
リナ「うん。じゃないとサービスできないよ。」
頭がクラクラする。
リラックスしているのか、それとも緊張しているのか良くわからない。
リナ「それじゃあ準備してくるから、ちゃんと用意しといてね。」
リナは個室を出て、俺は言われた通り服を脱いで綺麗に畳んだ後、指示された薄い紙のパンツを履いた。
これから…いったい…何が始まるんだ?
しばらくして、リナが個室に戻ってくる。
手には、何かが入ったボトル、そして、白い服に着替えていた。
まるで看護婦?のようなスタイルだ。
リナ「よろしくお願いします。」
相良「は…はい。」
リナ「まず、うつ伏せになってください。」
相良「…」
リナ「ちょっと…それ、仰向けだよ。」
相良「…う。」
恥ずかしさを隠す様に、枕に顔を埋める。
リナ「はい。それじゃお体触りますね。」
リナはタオルを背中にかぶせ、背中を触り始める。
リナ「綺麗な肌…それにいいスタイルしてるね。程よい筋肉…」
相良「そ…そうかな…?」
リナ「でも、疲れは溜まってるね、ここ痛い?」
首元を親指で指圧される。
相良「イタタタ!!」
リナ「ごめんごめん。うん、だいたいわかった。楽にしてて。」
相良「うん。」
それから、リナは背中、肩、腕とマッサージを続けた。
丁度いい力加減と、場の雰囲気もあるのか…かなりリラックスしていた。
気持ちいい…
何だ、普通のマッサージ店じゃないか。
それに、女の子の柔らかい手で優しく触らてるというのは、疲れた俺に癒しを与えてくれる。
リナ「ところで、さっきは冗談で聞いたけど、相良君はどうして歌舞伎町に?」
相良「…あぁ…それは…」
リラックスしている状態で、頭がボォーとしている俺は、リナに横浜で起きた事を話し始めた。
まぁ誰に聞かれても、誰にも迷惑はかからないし…
いいか。
そして、両親の事の話しをした時。
リナ「え?じゃあ相良君は住むとこもないの?」
相良「そうだな…」
リナ「親御さん、心配だね…」
相良「あぁ…」
リナ「…」
相良「…」
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