14人が本棚に入れています
本棚に追加
リナ「相良君は…強いね。」
相良「え?」
リナ「私だったら、お父さんもお母さんもいなくなって、住む場所も無くなったら、ショックで何もできないと思う…」
相良「…」
リナ「逆にどうしてそんなに普通でいられるのか、少し不思議だな。」
相良「…」
確かにその通りだ。
こんな状況になれば、誰でも絶望するのが普通なんだろう。
よく考えてみれば、俺はただ…その現実を受け止めたくなかっただけなのかもしれない。
現実を見ずに、ただ目の前の事を衝動的に行動している。
ただ、それだけなのかもしれない。
自分がやってきた事を思い返し、少しずつ恐怖が蘇ってくる。
それなのに、今はこうやってマッサージを受け贅沢をしている。
そんな事でいいのか?
罪悪感の正体はこれか…
相良「そんな事は…ないよ。」
リナ「…」
相良「結局、俺では何もできなかった。ここに来たのは、両親がどうなったか調べる為だったけど…俺では何もわからなかった…これからどうしようか…そんな事も考えれない…生活だって…どうなるか…わからない…」
リナ「私…」
相良「ん?」
リナ「何か、力になりたいな。」
相良「…いや、大丈夫だよ。」
リナ「そう…それじゃさ。いい事教えてあげる。」
相良「いい事?」
リナ「うん。…何か困った事や、知りたい事があったら、探偵さんに聞いてみたらどうかな?」
相良「探偵?…あの…殺人事件とか推理したりして、犯人はお前だとかいう、あの探偵?」
リナ「それは漫画の話だよ。実際の探偵は浮気調査とか、困りごとの解決とか。もしかしたら何か助けになるかも。」
相良「でも、お金かかるよな?」
リナ「まずは相談してみたらどうかな。近くに叢雲探偵事務所ってとこがあるんだけど、いい人だよ。相談は無料でやってるし。」
相良「叢雲…探偵事務所…」
叢雲?どこかで聞き覚えがあるような…
リナ「終わったら、案内するね。」
相良「…わかった。…ありがとう。」
とりあえず、言って相談するだけならいいかもな。
そして、リナのマッサージは足へと移行した。
これもまた気持ちいい。
かなり歩いたからな…余程疲れていたんだろう。
気がついたら、少し目を閉じて眠ってしまうそうになる。
そこに…
リナ「ねぇ…相良君…特別に…抜いてあげようか?」
相良「…は?」
一気に目が覚めた。
抜くって?何をだ?何か?
マッサージじゃないのか?
リナ「ほら、だって…こんなにガチガチじゃん。」
相良「え?あ・・いや…ちょ。」
リナ「大丈夫…サービスだからさ…溜まってるんでしょ?」
最初のコメントを投稿しよう!