#1 東京 歌舞伎町

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相良「たまっては…」 リナ「緊張してる?無理しなくても大丈夫だよ。私、嫌じゃない…から。」 いや、そういう問題じゃない。 いや…どういう問題だ? リナ「さぁ、楽にして…」 リナは何かヌメヌメしたものを塗り始める。 相良「うっ…」 くすぐったい… そして、何か布が擦れる音がする。 服を…脱いでるのか? わからない…何をしている。 リナ「それじゃ…」 相良「うおおお」 何かが吸い付く…何だ? くわえられてる感覚が… … 気持ち…いい。 頭が…飛びそうだ… … … … リナ「はぁ…いっぱい出たね…」 相良「…」 リナ「吸い付いたとこが赤くなってるから、疲れが溜まってる証拠だね。」 相良「…」 リナ「気持ちよかった?筋膜リリース!!」 『説明しよう。筋膜リリースとは特殊な球体の様なビンを用い、空気を吸って真空状態にする事で、肌に吸い付き、固まった筋肉を骨から剥離し、血行をバンバン改善し、疲れをとる施術方法である。服反応として、吸い付いた部分が赤く変色する。」 リナ「筋肉が硬くなってたから、抜いてかなりスッキリしたとおもよ。どうかな?」 相良「あ…あぁ。そう…だな。」 確かに、体はかなり楽になっている。 リナ「オイルがついてるから、タオルで拭いてね。」 相良「うん。」 リナ「以上で施術を終わります。服を着てください。」 相良「はい…」 本当に…ただのマッサージ店だった。 確かに体はすごく楽になった。 ただの…一部分を除いて… 相良「…」 リナ「準備できた?それじゃ、行こうか。」 相良「お願いします。」 ラブマッサージの店を出て、リナの案内で叢雲探偵事務所へと向かう。 店長が「またのお越しをお待ちしております!!」 と言ったが、悪くはない腕は確かだ。 「疲れ」が溜まったら、また来ることにしよう。 リナ「ここだよ。」 相良「え?もうついたの?」 数分、いや数秒歩いた程度で目的の場所に到着する。 路地裏で目立った場所ではないが、2階の窓には叢雲探偵事務所と大きな文字で表記されていて、中には明かりがついていた。 リナ「それじゃ、私はこれで。」 相良「あぁ、ありがとう。」 リナ「いいよいいよ。また今度会ったら、ご飯でも行こうね。」 相良「そうだね。」 リナ「ばいばぁーい」 リナは手を振って、別れて行く。 相良「いい子だったな…さて。」 一方、相良から離れて、身を隠すリナ。 リナ「…もしもし…山田君…」 … … 叢雲探偵事務所がある2階まで階段を登り、木製のドアの前に立つ。 相良「すいませぇーん」 … 声をかけるが、何の反応も返ってこない。 相良「すいません、相談したいことがあるんですけど。」 何度かノックをしても、ドアが開けられて誰かが出てくることもなかった。 相良「留守…なのか?」 ふと、ドアノブを握る。 すると、ガチャッと音がすると共に、扉が開いた。 誰かが開けたのではなく、俺が開けた。 相良「誰か…いらっしゃい…ませんか?」 中を覗いてみるが、狭い部屋には誰もいない。
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