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相良「たまっては…」
リナ「緊張してる?無理しなくても大丈夫だよ。私、嫌じゃない…から。」
いや、そういう問題じゃない。
いや…どういう問題だ?
リナ「さぁ、楽にして…」
リナは何かヌメヌメしたものを塗り始める。
相良「うっ…」
くすぐったい…
そして、何か布が擦れる音がする。
服を…脱いでるのか?
わからない…何をしている。
リナ「それじゃ…」
相良「うおおお」
何かが吸い付く…何だ?
くわえられてる感覚が…
…
気持ち…いい。
頭が…飛びそうだ…
…
…
…
リナ「はぁ…いっぱい出たね…」
相良「…」
リナ「吸い付いたとこが赤くなってるから、疲れが溜まってる証拠だね。」
相良「…」
リナ「気持ちよかった?筋膜リリース!!」
『説明しよう。筋膜リリースとは特殊な球体の様なビンを用い、空気を吸って真空状態にする事で、肌に吸い付き、固まった筋肉を骨から剥離し、血行をバンバン改善し、疲れをとる施術方法である。服反応として、吸い付いた部分が赤く変色する。」
リナ「筋肉が硬くなってたから、抜いてかなりスッキリしたとおもよ。どうかな?」
相良「あ…あぁ。そう…だな。」
確かに、体はかなり楽になっている。
リナ「オイルがついてるから、タオルで拭いてね。」
相良「うん。」
リナ「以上で施術を終わります。服を着てください。」
相良「はい…」
本当に…ただのマッサージ店だった。
確かに体はすごく楽になった。
ただの…一部分を除いて…
相良「…」
リナ「準備できた?それじゃ、行こうか。」
相良「お願いします。」
ラブマッサージの店を出て、リナの案内で叢雲探偵事務所へと向かう。
店長が「またのお越しをお待ちしております!!」
と言ったが、悪くはない腕は確かだ。
「疲れ」が溜まったら、また来ることにしよう。
リナ「ここだよ。」
相良「え?もうついたの?」
数分、いや数秒歩いた程度で目的の場所に到着する。
路地裏で目立った場所ではないが、2階の窓には叢雲探偵事務所と大きな文字で表記されていて、中には明かりがついていた。
リナ「それじゃ、私はこれで。」
相良「あぁ、ありがとう。」
リナ「いいよいいよ。また今度会ったら、ご飯でも行こうね。」
相良「そうだね。」
リナ「ばいばぁーい」
リナは手を振って、別れて行く。
相良「いい子だったな…さて。」
一方、相良から離れて、身を隠すリナ。
リナ「…もしもし…山田君…」
…
…
叢雲探偵事務所がある2階まで階段を登り、木製のドアの前に立つ。
相良「すいませぇーん」
…
声をかけるが、何の反応も返ってこない。
相良「すいません、相談したいことがあるんですけど。」
何度かノックをしても、ドアが開けられて誰かが出てくることもなかった。
相良「留守…なのか?」
ふと、ドアノブを握る。
すると、ガチャッと音がすると共に、扉が開いた。
誰かが開けたのではなく、俺が開けた。
相良「誰か…いらっしゃい…ませんか?」
中を覗いてみるが、狭い部屋には誰もいない。
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