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???「泥棒か?」
???「いや、それはないな。電気もつけっぱなしだ。そんな泥棒がいるか?鍵もかけずに電気もつけたままってことは、内部の犯行の可能性が高い。」
???「えっ?」
???「ここを出たのは、2日前の朝午前7時。そして最後に出たのは、誰だったけ?」
???「おいおいおい。まさか、俺を疑ってるんじゃないだろうな?」
???「おっ。察しがいいねぇ。」
???「俺じゃねぇーよ!!な、何を証拠にそんな事を言ってんだ?」
???「証拠ならある。」
???「何だと?」
???「ほら、そこのゴミ箱の中に、酔い覚ましのドリンク剤だけがあるだろ?」
???「うん?おう確かにあるな。」
???「ここのゴミ出しは2日前、俺はいつも朝6時にはゴミを出す。つまり、その空き瓶は朝6時以降にゴミ箱に入れられた事になる。
そして、俺達が横浜に向かう為にここを2日前の7時に同時に出た、俺はその時鍵を閉めた。だけど、誰かがその時に二日酔いを訴えて一度事務所の鍵を開けて、もう一度中に戻り、冷蔵庫にあったそのドリンク剤を飲んで、空き瓶をそこに捨てた。それはつまり…」
???「…つまり?」
???「電気を点けたままで、鍵もせずに出たのは、二日酔いで意識が朦朧としていた弥田さんだけですよ。」
弥田「なっ…何だって!?」
???「もう勘弁してくれよ。ここには大事な個人情報が書いた書類が一杯あるんだから。」
弥田「…それは…悪かったな。」
ガチャ…
二人は扉を開けて中に入る。
???「誰かが入った様子はないな。」
弥田「おう。よかったじゃねぇか!!」
???「どの口が言ってんだよ…」
相良「…」
やらかした…
俺は、咄嗟に状況反射的に、奥にあった机の下に隠れてしまった。
なぜこんな事をしたのか?
それは多分、勝ってに入って色々物色してしまった事に悪気があったからだ。
しかし…面倒な事をしてしまった。
頃合いを見て、見つからずに抜け出そう。
それに、もう一つ気になる事がある。
多分、ここに入って来たのは二人だ。
この二人は何故俺の事を調べている?
耳を澄ませて、会話を盗み聞いた。
弥田「それにしても、どこに行ったんだろうな?相良剣一君はよぉ。」
???「横浜に帰ったと思うけど、もう自宅もなくて、帰る場所はないからな。誰かが保護したか、町をウロウロしているかのどちらかだのだと思うが。」
弥田「交友関係を確認して、当時の同級生とかに来てないかと聞いてみても、いい情報はなかったしな。」
???「あぁ…唯一の情報が横浜の半グレ集団、三国同盟が一夜にして壊滅。それに剣一君が関与していたという噂だけか。」
弥田「それが本当なら、大したもんだな。相良剣一ってのは。流石は30人ごろ…」
???「弥田さん…」
弥田「…悪い。」
???「あれは、本人がやろうと思ってやった事じゃない…」
弥田「そうだな…なぁでもよター坊。お前が弁護したってのはわかるが、何で今更この事件を引っ張り出したんだ?別に本人から依頼された訳じゃないだろ?」
弁護?
という事は…もしかして…
やっぱり弁護士の叢雲さん…なのか?
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