#1 東京 歌舞伎町

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「うぉおお!!」 男は思った以上に吹き飛ぶ。 相良「あ!!すいません大丈夫ですか?そんなに強くしたつもりは無かったんですけど…」 男に駆け寄り声をかける。 すると、今までこの状況を見ていた女性から 「ちょっとかっこいいんだけど…」 「よく見たらイケメンじゃない?」 と、黄色い声援が聞こえた様な気がしたが、仕方がないとはいえ、男に手を出してしまった方が深刻だ。 怪我はないだろうか? 更に面倒な事にならないだろうか? そんな心配が頭をよぎる。 「えぇ…パンチや…」 相良「は?」 「酒に酔ってたとは言え、わしのパンチを全部避ける反射神経…見事なカウンター…アッパーカット…」 相良「…」 「にいちゃん!!気に入った!!」 相良「えっ…と?」 男は急に立ち上がり、先程とは正に打って変わって満面の笑みを浮かべている。 俺はその状況が飲み込めず、戸惑ってしまう。 「にいちゃん!!ボクシングやらへんか!!にいちゃんなら日本…いや世界チャンピョンも夢やない!!」 相良「ボクシング?」 「せや!!ボクシングや!!にいちゃんには才能がある!!自分で言うのもアレやけど、わしの顔を見ても怖気付かんだけの度胸もある!!どや!!やらへんか!!」 相良「いや…その…今は興味はないです。」 「そうか!!ならしゃあないの!!ガァハハハハ!!」 人の話を聞いてるのだろうか?断ったのに嬉しそう笑っている。 意味がわからない。 「それににいちゃん、なんか用があったん違うか?」 相良「あぁ…えぇ…その聞きたい事があって。」 「なんや!!なんでも聞いてくれや!!」 ようやく、本来の話に戻れそうだ。 相良「東誠警備ってご存知ですか?そこに行きたいんですけど、場所を教えてくれたら助かります。」 「知らん!!」 相良「あぁ、そうですか…」 「場所は知らんが、なんやにいちゃん、あのヤクザ警備会社になんの用事や?」 相良「ちょっと、人探しで、あの、ヤクザ警備会社ってなんですか?」 「だってあの会社は元はヤクザの連中が作った会社やろ?まぁわしもそれ以外は知らん。わしは名古屋の人間やからな。」 相良「そうですか…」 すると女性が 「東誠警備なら、プレミアムタワーにいると思うよ。」 相良「プレミアムタワー?そこに会社があるんですか?」 「プレミアムタワーは、そこにあるでかいビルよ。会社があるかは、ちょっと解らないな。」 女性が指を刺す方向には、とても巨大なビルがあった。確かにこれはビルというよりは、塔と言った方がそれらしい。 「確か、そこの警備やってた思うよ。」 「前を通ると、警備員が立っているのをいつも見るからね。」 相良「そうですか。ありがとうございます。」 俺は女性と男に軽く会釈をして、その場を離れようよした時。 「ちょっと待ってくれにいちゃん」 男に呼び止められる。
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