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━━翌日
「よし!30分前に到着できたぞ!
あとは待つのみ!」
亨は時計台の前に到着する。
「あ、待った?」
「いや、今来たところ!」
亨はそんなやり取りをするのが夢だった。
色んな妄想をするだけで時間が過ぎる。
待ち合わせの時間の30分過ぎた。
瑞希はまだこない。
空が眩しく光る。
次の瞬間。
亨は電車の中に乗っていた。
自分以外の存在はない。
とりあえず椅子に座る。
現状を把握するために。
「煉獄、次は煉獄、終点でございます」
アナウンスが流れる。
亨は降りることにした。
なにせ待ち合わせに遅れてしまう。
亨は自分の腕時計を見る。
10時30分を過ぎていた。
「初デートで遅刻とかダメだー!」
亨が走ろうとした時。
老人がそれを止めた。
「どこに行こうとしておられるのかな?」
「大阪の時計台です」
「ここにはあらんよ」
「え?ここ大阪駅じゃないんですか?」
「そうじゃな。
ちなみに言うと地球でもない」
「え?主は死んだのじゃ」
「足ありますよ?」
「その話はややこしいので置いておくが。
空が眩しく光ったじゃろ?
あれは核ミサイルでな世界中に落とされ地球の人口の3分の2は死亡した」
「そんな……」
「お主は別の世界で人生を送って貰うことになる」
「貴方は神様なのですか?」
「天使じゃよ。
神ではない」
「そうなのですか……」
亨がイメージした天使の姿と違うため少し戸惑った。
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