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ここは フリクスオフス がい
ごばんどおり
えんとつのあるいえ の
でまど でくらしているのは
にひき の ハムスター
トロロン と モーブ
トロロン は ものしり
いつも れいせい
モーブ は ものしらず
ちょっとしたことで さわがしい
「ねぇ、トロロン。まどガラスが こんなにぬれているのは なぜだい?」
「いえのなか は あったかいのに そとのくうき は うんとさむいから まどが ないているのさ。」
と トロロン
さすが ものしり
「たてにほそい せん が たくさんはいって いまにも ガラス が われそうなのは?」
「そういうときは そとに ゆきがふっていて ガラスが こおって いるんだよ。」
にひき の ハム の おうちは
ぎゅうにゅうパック で つくられている
にひき は いつもそこから
まどのそとのせかい に ついて はなしあっていた
「ゆきって なんで ふるんだろう?」
あるひ モーブ が きいた
「それは ぼくにも わからない」
と トロロン がこたえる
トロロン にも わからないこと が あるなんて
モーブ は はじめてだ
「きみにも わからないこと が あるの?」
「あるさ でも もしかすると …」
トロロン は たまに こうやって
わからないことも そうぞう して こたえてくれた
「ゆきは すべてを 『しろ』にもどす そのために ふるのかもしれない…。」
「すべて」
「つまり きも はなも つちも そらも みずも という いみだよ。
はるになれば いろんな いろが やってくるからね。
きは みどりに。 はなは あかや ピンクに。 ミツバチは きいろ。 そらは あお。 つちは ちゃいろ になる。」
「はるにやってくる いろ のために すべてを 『しろ』にもどすの?」
「きみだって おえかきしていた がようし が いっぱいになったら つぎのがようしを ようい するだろ? それといっしょさ。
いちねんかけて いろんな いろを せかいにぬったら ゆきをふらせて また『しろ』にもどすんだよ きっと。」
トロロン は いつでも ものしり で
モーブ は あたらしく やってくる いろ を そうぞうして わくわくした。
「ゆき って どんな おと で ふりつもるんだろう?」
「それも ぼくら には わからない。」
にひき の ぎゅうにゅうパック の いえ は
でまど に あって
まど は いつも しまっているので
そとのせかい に どんな おと が あるのか
にひき は まったく しらないのだった
「わからない けれど だいじょうぶさ。 そうぞう して みれば いい。 さっきも うまく いっただろう?」
「そうだった。わからない こと は そうぞう してみよう。」
モーブは すこし そうぞう することができた
トロロン が いれば
わからない ことは こわくない という こと
わからないこと は トロロン に きけば いいし
にひき とも わからない ことは
いっしょに そうぞう すれば いい
「ポトポト ふりつもるんじゃない?」
「シトシト ふりつもる かもしれないな。」
「ザアザア ふりつもる のだろうか。」
「ぼくら は まどに さえぎられて きこえていない けれど じつは すごい おおきなおと かもしれないぞ。 ドカドカ ふりつもるのかもよ。」
「どうりで ゆきのふるひ は みんな まどを しめている わけだな!」
にひき の くらす ぎゅうにゅうパック
の いえ は
タイヤ も ついていない けれど
にひき は せかいじゅうの どんな ことでも
わかる
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