丘の上の小さな教会

　早速、ポールはいたずらの下準備にかかりました。ポールはぶちぶち丘の草を抜きとります。抜いて抜いて抜いて、草は大きな束になりました。そして、その草を教会の入り口の目の前の邪魔になる場所に置きました。これなら、いくら神父様だって困った顔をするでしょう。

　ポールが、様子を見ていると、教会の中から神父様と信者さんが出てきました。信者さんは驚いたような顔をしていましたが、神父様はにこにこと笑顔のままです。

「神父様、これは一体誰の仕業でしょうか？」

「そこの足跡を見て下さい、きっとひつじですよ。元気なひつじが、草の束を持ってきてくれたんですよ。元気いっぱいな証拠で何よりです。」

　神父様は目を細めて言いました。

　なんだって！そんなこと証明したいわけじゃない！

　ポールは初めていたずらが失敗して、少しモヤモヤしました。

　なんとか次こそ困らせないと…。そうだ！

　ポールは、いい案を思いついたようです。