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丘の上の小さな教会
ある村に、小さな教会がありました。
小高い丘の上に、ぽつんと建っている古びた教会です。
教会のまわりには、たくさんのひつじが丘の草を食べて、のんびり暮らしていました。そんななか、1匹だけのんびりするのが嫌いなひつじがいました。いたずら好きのひつじの男の子、ポールです。
「いやっほー!!」
今日もポールは、他のひつじがのんびり草を食べているところに突っ込んでは、食事を妨害していました。
ポールのいたずら好きは、生まれた時からで、他のひつじたちもほとほと困っていましたが、怒ることもなく諦めていました。
「なーんか、いたずらする相手もいなくなってきたなぁ。」
ポールは、色んなひつじにいたずらしすぎて新しい標的を探していました。
そんなとき、ふと視界に教会の前で、信者さんとおしゃべりしている神父様が目に入りました。神父様は毎日かかさずひつじたちの様子を見にきてくれます。温かい笑顔でひつじたちをなでてくれるのでした。
そういえば、神父様の困った顔なんて見たことないな。いつも笑顔しか見ない。
ポールはそう思って、決めました。
よし!次の標的は、神父様だ!困った顔をさせてやろう!
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