2. 出会い

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 麗華さんが僕という透明人間に話しかけて下さったことで、僕にはどうやら色がつき始めているようです。そのおかげで、麗華さん以外の人の目にも留まるようになりました。  麗華さんのお友達はとても優しい方が多いです。麗華さん同様、僕なんかと言葉を交わして下さるのですから。  でも、それを良く思わない人たちもいるようでした。麗華さんと話す僕に冷たい視線を刺してくる人たちもいたのです。恐らく、漫画でよくある一場面です。人気者と話す地味な存在は敵意を向けられがちなのです。僕自身それが分かっていたので、僕を気に入らない人たちに怒るようなことはしません。でも話しかけてくれるのはいつだって麗華さんなので、それを無視することは出来ないから僕は心でその人たちに謝りながら麗華さんとの時間を過ごすしかありません。  幸いその人たちは僕を陰で睨んでいるだけで、直接的な攻撃はしてきませんでした。
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