2. 出会い

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   「何してるの?」  突然後ろでそんな声が聞こえました。びっくりして振り返ると、探していた麗華さんがそこに立って僕を見ていたのです。  「かくれんぼ?」  隠れていたことが丸わかりだったらしく、麗華さんは不思議そうに僕にそう言いました。無理もありません。だってこんなの、怪しすぎですもん。  「あ、え、えっと、その...用があってこの辺に来たのですが、約束の相手が、やっぱり来れないって...」  焦る僕は意味の分からない言い訳を並べてしまいました。もう今日こそ終わりだって諦めようとしたのですが、麗華さんはやっぱりお優しい方です。  「それは災難だったね。それで帰ろうとしてたの?」  定まらない言い訳の続きを代わりに麗華さんが紡いでくれたので、僕はそれに乗っかろうと首を縦にブンブンと振りました。
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