2. 出会い

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 「そこ座ってー。今お茶出すね。あ、ジュースがいい?」  言われるままベッドの前に置かれていた低いテーブルの前に座り、そう聞かれたので僕は「お構いなく...」と答えました。  そう答えた後に、僕は後悔しました。折角の麗華さんのご厚意を無下にしてしまったと思ったからです。  でも、麗華さんは決まり悪そうな顔も見せず、僕の断りを素直に受け入れて下さいました。  「太郎君ってあんまり人と付き合わないんだと思ってた。でも意外と遊びに来たりするんだね、こうやって。」  麗華さんは言いました。確かに、麗華さんの印象はきっと誰もが持っているものだと思います。僕は人と付き合わないんじゃなくて、ただ友だちがいないだけなんです。  そうとも言えず、僕は麗華さんの言葉に「はい」の二音だけを返しました。  「それならもっと早くに話しかけておけばよかった。ずっと気になってたんだよね、太郎君のこと。」
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