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「っていうか、沙奈。今日提出の調査プリント持ってきてないでしょ〜。また、放課後取りに帰らないといけないじゃん〜。クラブ今日も休み?」
羽奏は私の母のように優しく私を叱ってくれた。
「あっ!忘れてた〜。取りに帰らないと……」
またクラブ行けない……。
最近休んでばっかりだな。
「私も一緒に帰るよ!前みたいに帰った理由も忘れて学校に戻ってこなかった、みたいな事になったら大変だからね〜」
「いいの?羽奏まで部活行けなくなるよ」
「大丈夫、大丈夫〜!だって、玉ねぎの顔見なくていいし!あと、今日は前回の大会の反省会らしいから、面倒くさいし、サボりたいなって思ってたからね!」
ニコッと子供っぽい笑みを浮かべている。
ついてきてくれるなんて本当に優しい。
あ、玉ねぎとは茶道部の顧問で女の先生なんだけど、玉ねぎみたいな髪型をしている。性格は、生徒のことを一切考えない、しかも鼻につく喋り方。
茶道部の皆は玉ねぎのことが嫌いでいつも悪食いを言っている。
「あ!もうそろそろチャイムなるから座っとこう」
「そうだね!じゃあまたね〜」
私は自分の席に座って、引き出しの中に入れておいた本を読んだ。
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