それは如月、逢魔時

5/18
前へ
/18ページ
次へ
「結さん、デキるって感じっすもん。打ち上げの時とか、めっちゃテキパキしてて、気が利くっつーか」 「そ、そう?」  あ、何かちょっと嬉しくなっちゃう。打ち上げなんて、みんなビールかっくらってワイワイしてるから、誰もそんなの見てないって思ってた。 「そうっすよ。普段の仕事も頼りになるんでしょうね」 「おう。雄貴の片腕だからな」 「そりゃ凄いっすよ。ケルベロスを支えてるってことじゃないすか」 「雄貴さんのお手伝いしてるだけでそんな」 「誰にでも手伝えるってもんじゃないっすよ?」  ちょっとちょっと、めちゃめちゃ気分いいんですけど。これはバースデープレゼントと言っても過言ではないのでは。 「ありがと」  人の彼氏とは言え、イケメンがこんな褒めてくれるなんて、ここはホストクラブなのでしょうか。 「和馬、シャンパン何があんの」 「ねぇわ」 「バカじゃない」 「雄貴のたーけ、来るって言わんかったし……来るか? ここに。普通」 「来ないわ」  かおるさんは察したようで、肩を竦める。 「そういうことね。……とりあえず、とっとと注文してよ。モエ黒」 「おう」 「えっ、ちょっとかおるさん」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加