4人が本棚に入れています
本棚に追加
鮮やかな日々
その日を境に、僕の入院生活は一変した。
こんなにも色鮮やかだっただろうかと思うほど
に、草木は茂って見え、花々は各々がその愛ら
しい花びらを目一杯広げていた。小鳥のさえず
りはまるで、僕を祝福しているようだった。
「良く生きてる、おめでとう!」と語りかけて
くれているようにさえ思った。葉子の存在が僕
を、病に臥せっている僕を救ってくれているの
だ!自然と涙が溢れ出しているのがわかった。
「ありがとう…ありがとう葉子。」人目を憚
らず泣いた。ぐぉんぐぉん泣いた。
ゆっくりと窓の外を見上げる。あぁ…そうだっ
た。僕はもう老いぼれで、葉子はまだ若いんだ
った。おそらく50歳ぐらいは離れているだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!