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「よーし、それじゃあがんばって無駄な肉落とすでー」
お金払って運動するねん。元をとるべく毎日でも通うのは関西人の気質。
まずはランニングマシンに乗って、色んなボタンの内容を確認、スピード調節したり勾配つけたりできて、時間や消費カロリー、走った距離などが表示される。
「自分はどれくらい走れるんだろうか?」
スタート前に自分の体力を考えてみた。そういや、今の自分のスペックを知らない。
記憶が確かなら、高校生の時の1500メートルの記録が5分ちょい、もうちょっと最近の記録は30代の時に頭まで筋肉の上司に無理矢理誘われて強制参加した市民マラソン大会(ゴネて10キロで参加)のタイムが1時間切れなかったっけ。
さすがに高校生の頃の体力は無理にせよ、せめて1500メートルくらいは走りたい。自分の中では長距離だけど、陸上競技では全然中距離。とりあえずは10分でどんだけ走れるか試してみよう。
「過去のスペックから推測したら、2kmくらい走れたら御の字か……」
と考え時速10kmに設定。
スタートボタンをポチッ
動く足元のベルト。八馬八朔のジム生活、いざスタート。
「イケるイケる」……2分
「ちょっと息苦しくなってきた」……4分
「アカンアカン、ペースダウン」……6分
「がんばれオレ、足もつれそう」……8分
「あともうちょっと、気合だ、気合」…10分
で、ゴール。なんとか完走。果たして走行距離は……。
1500メートル
高校時代の凡そ半分のスピードになってる……。老いを感じずにはいられない。これは不甲斐ないな。
続いて水泳。小学校に上がる前近所にある習い事ってプールしかなかったのでコレは得意でした。3年生の時に一通りの基本コースをマスターし、次なる「選手コース」みたいのに進みますか?と言われてそこで卒業しました。基礎は習ったので一通りの泳法は泳げます。速いかどうかは別のハナシですよ。
「よーし、走れんかった分プールで敵討ちじゃい」
ーー誰の仇やねん。この日のために買ってきたゴーグルとキャップ、水着は家にあったもので装備は完了。準備体操して、水に入って
「ここでカッコよくクイックターンで……」
と思ったら、
ゴボゴボゴボ……
思いっきり水を飲み失敗。
「こんなはずじゃあ」
次はバタフライで泳いじゃる、と意気込んでドルフィンキックして両手を翼のように広げて前にストローク!と思いきや、
腕が水面から上がらない
ってか、四十肩で腕回ってない……。
かつては何kmでも泳げたあの頃の面影は残像すらない。ああ、これが老いというものか。
結局ゆるりと平泳ぎで泳いでみた。それでも息がすぐ上がる。結局この日は500m。目標の1kmにも及ばず、体力つけるどころか不安が取り憑いたような感じ。
初日は入会したことを後悔しました。
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