4 とある本との出会い

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4 とある本との出会い

 早い段階で運動で減量する計画は頓挫。残る選択肢は一つ。     食事 である。  メシは食いたい。ハラはいつも減っている。幸いなことに、家に帰れば労せずして食べ物はある。だからついつい食べ過ぎる。独身の時と違って、何を食べようか思案する必要がないのも日頃の警戒心が低下する一因ともいえる。  運動ではしんどいので、もはやこの方法しかない。一兎は既に逃げられ、走って追いかけても追い付かないので、狙うは残りのもう一兎。  となると、食べる量を減らせばいいのか?  これは誰でも思いつく。それで無駄な肉が取れるんだったら苦労はしない。  メシは食いたし、減量もしたい。この相反する欲望を満たしてくれるもの、もしくは折衷案的なアイデアはないものか?  そんな仕事の出先での話、直帰できることになったけど時間余ってたのでそこの大きな本屋で時間を潰そうと思ってた時ですよ。そこでたまたまワタクシの目に止まったのが……    カロリーブック 的な本です。当時のダイエットのトレンドはカロリーコントロール。この本には大概の食材とメニュー、加工品などのカロリーの目安が付いているんですよ。図鑑みたいなものです。    元々不要な物は買わないようにしているのですが、この時は何故か気が大きくなったとはいえ一冊千円前後だったような…。 「お金出したらその分元取ったろう、ってなるやろう。いや、なるんやて」  と自分に言い聞かせ一歩を踏み出して購入。帰りの電車で 「まずは熟読、ですな」 と言いながら読む。もちろん周囲の目が恥ずかしいので、購入時にはしっかりカバーを着けてもらってる。 「ははーん、なるほど。これならグータラなワタクシでもできるかも……」  結果は出るかは分からない。でも、この時本を読みながら 「これだったら自分でもできるのではないか?」   と解釈した結果、とりあえず自分の頭で勝手に絵を描いてたのです。     つづく
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