63人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
【第一話】居候生活初日 ～叔父と姪っ子～
「これからよろしくね、姪っ子ちゃん」
彼のこの一言が、繋がりのなかった関係に“叔父と姪”という明確な呼び名を付ける。
口元に笑みを浮かべながら、一方で相手を見つめる瞳は感情をもたない冷たいもの。瞳を捕らわれた相手は息を呑み、暫しの沈黙の後に返答する。
「分かり、ました……」
と、絞り出すように答えた一つの言葉。
初めて会うこととなった父親の義弟。自身にとっては叔父と呼ぶべき存在。
だがこの出会いはお世辞にも良好的なものとは言えず、両親の出張を機に結ばれた縁が今後どのようになっていくか。
不安が残る中、叔父と姪の居候生活は静かに幕を開けた……。
.
最初のコメントを投稿しよう！