オーディナリーデイズ6 セレブレイション デイ

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「何だよ、学校帰りか」 トオルは磨いていたグラスを棚に置くと、振り返って言う。 この子がトオルか…。 私は一番端に座り、横の椅子にカバンと紙袋を置いた。 「皆、揃って…。クリスマスデートの予定ある奴とか居ねぇのかよ」 トオルはケラケラと声を出して笑った。 お腹の空いた私たちはメニューを見ながら昼のランチを注文した。 私は店の中を見渡す。奥に小さなステージがあり、楽器が置いてあるのが見えた。 「最近やってるのか、バンド」 ヨースケがトオルに訊いた。 「ん…。ああ、ボチボチな…」 私はそれを聞いて小さく頷く。 「此処でやらせてもらえるからな。少しは上手くなったよ」 トオルはそう言いながら私の方を見た。
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