塵に積もる美少女たちの微笑み

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 それぞれのパーツを仮組みしていき,どの部分をどうやって加工するか,どの部分を塗り直すかなど,何度も角度を変えて時間をかけてイメージを膨らませた。  とくにこだわっているのは表情で,眼の塗装にはエアブラシと筆を使って何重にも塗り重ね,眼だけで三日間かけることも当たり前だった。  腕の角度や脚の向き,流れる髪の毛を再現するために自分で造ったオリジナルの腕や脚に変えることは日常茶飯事で,オリジナルの凶暴な武器をデザインするのも得意だった。  禍々しい武器以外は,どこまで忠実に原作を表現できるのか,お気に入りの一瞬の表情を再現できるのかが常に目標で,そのために高価なプロ用の機材を揃え,何度も失敗を繰り返して腕を磨いた。  そうして組み上げるフィギュアは,専門店が高額で買い取ってくれ,サインを入れることで自分の作品としてファンがつくようにまでのクオリティを提供できるようになった。
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