34人が本棚に入れています
本棚に追加
思いがけず僕たちは話し込み、そのままするっと意気投合。
仲良くなった決め手は三つ。
一つ、共通の趣味があったこと。
「私、ホラゲーが好きなんだけれど、謙太くんもやったりする?」
「プレイはしないけど、VTuberの配信は好きでよく見てるよ」
「え⁉ 謙太くんも、動画配信とか見るの⁉」
「意外だった? まぁ、ホロライブくらいしか見たことないけど」
「いいよね! ホロライブ!」
二つ、どっちも似たような性格&学校での立ち位置だったこと。
「私ね、学校では『王子』って呼ばれてて。ほら、身体が大きいのに胸がないから」
「僕も学校では『メガネ』ってあだ名だよ。安直だよね」
「ほんとにね。困ったことがあると『王子! 助けて!』って頼られて。私、本当はそういうキャラじゃないのに」
「僕も『メガネなんだからなんとかしろ』って言われるな。知るかよ、メガネがなんでも知ってると思ったら大間違いだっての」
「だよねだよね!」
三つ、咲ちゃんが微妙に僕の学年を間違えていたこと。
「あれ? 謙太くんって、同い年じゃないの? 高校一年生じゃ?」
「二年生だけど?」
これは僕のポン。
テンパって高校の学年を伝え忘れていたのだ。
なので咲ちゃんは、僕のことを同い年だと思って、ちょっとパーソナルスペースを詰めていた。
これが逆によかった。
最初のコメントを投稿しよう!