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再会
5年後…
「では!!世那と青葉の看護師免許取得を祝ってー!!かんぱーい!!」
『かんぱーい!!』
陽斗と奏多がブラジルへ行って5年後、世那は看護師国家試験に合格し、春から看護師として働く事になった。
青葉もだ。
ひかりのカンパイで皆でお酒を飲み始める。
「いやぁ、大人になったよねぇ。お酒飲んで、皆んなで粉物食べて、ツマミ食べて。楽しいね!!」
ひかりはご機嫌に生中をぐびぐびと飲み勢いよくジョッキを置くと二杯目を注文した。
「ねぇ、世那。あれ以来…陽斗と連絡取ってるの?」
伊織は聞くの控えていたけど…と話し出し、世那は戸惑いの表情を浮かべる。だが、左のくすり指にはクリスマスに交換した指輪が、そして首には陽斗の誕生石とイニシャルが入ったペンダントをしていた。
「あー…うん。自分からは取ってなかった…ひかりからは奏多と連絡を取っていたから…近況くらいは話してもいい?って聞かれたからいいよって言ったけど。けど…」
「けど?」
ひかり達は声を揃える。
「実はパソコンで…陽斗の事調べてた。ひかりからブラジルのチームに所属したって聞いてから。その後プロになった時は…ブラジルリーグの記事を片っ端から読んでたの…。」
世那はそう言って5人に陽斗の当時のブラジルでのサッカーチームでの様子や、得点率や現在の陽斗の様子を教え、そして彼が頑張っているから自分も頑張ろうと奮起し国家試験を頑張れたと話した。
「やっぱり陽斗情報見てたかぁ!」
ひかりはそれは愛だね!愛!!と頷きビールを口に含む。
「そっか。そりゃ気になるよね。世界で一番、誰よりも陽斗の事愛してるもんね!!世那可愛い。」
みなみは世那をハグして頭を撫でる。
「みなみぃー…。」
世那はみなみの顔を見て涙ぐむ。
「ところでひかり、陽斗は少しくらい世那の事聞いてくるの?」
みなみはお好み焼きをモグモグ食べながらその辺りはどうなっているんだ?と確認する。
「あー…実はさ、陽斗とは話してないんだよね。奏多が主にかな?てか、奏多ばっかり?だから奏多に聞かれて…多分奏多伝いには話は行ってると思う…けど。」
皆は「そうなんだ。」と言うと目の前のお好み焼きに舌鼓を打ち、楽しく話しているとテレビからU21のサッカーの話題が出て来た。
「あー、そう言えば!U21の試合あるんだよね?!」
ひよりがあいつらいるかな!?とスマホを取り出し調べ出す。
「…てかさ、あ!!凄い!奏多と陽斗選手で選ばれてんじゃん!見て!!ほらっ!!世那!!テレビ!!」
みなみがテレビを指差すと、ひかりがカバンからゴソゴソと何やら取り出す。
「ひかり?どうしたの?」
伊織がひかりの方を覗き込むと、
「じゃーん!!U21の日本代表戦チケット!!人数分!」
『うわー!!マジ?!』
全員で笑顔で叫ぶ。
「陽斗のお父さんがくれたんだ。絶対に世那ちゃんを連れて陽斗の初の日本代表戦を見に行ってくれって。昨日、うちに届けてくれたんだよ。」
ひかりはニヤニヤして世那を見る。
「…と…東京よね?」
世那は陽斗がU21代表戦に出るのはネットの情報でうっすら知っていた。だが、本当に出場と聞き、昔2人で中学の頃、約束した事が現実となり、コップを持つ手が震え緊張しながら聞いた。
「そう!!やっぱり知ってるよね!!もちろん!!国立競技場!!」
ひかりはお酒が入っているのもあり、テンション高く叫ぶ。
「東京かよ!?遠いな!!でも、行くしかないね!!陽斗待ってるし!てか、免許みんな持ってるし!交代で運転だ!」
みなみが張り切って言うと、ひよりと青葉と伊織は微妙な顔をして3人を見て、世那は「ひかりとみなみと私と3人で交代で運転だね?」と笑った。
「うん。わかった。ありがとう、父さん。」
陽斗は滞在先のホテルで電話で父親と話し、約束を果たしてもらい感謝を述べた。
「おじさん何って?」
奏多がねっ転がり久々の日本のお菓子を食べながら興味深そうに聞いてきた。
「試合のチケットをひかりに渡してくれたって。」
「え?!マジ!?ひかりだけ来るの?」
「んな訳あるか!世那も…とりあえず小5の時の世那達イツメンの奴らの分だよ。俺が自腹切ってピッチからあいつらの顔がよく見える場所の席を用意したよ。」
陽斗は嬉しそうに奏多に話す。
そして、陽斗の左くすり指にも世那と交換した指輪、首には世那の誕生石とイニシャルの入ったペンダントをつけていた。
「すげぇ…自腹切ったんだ…でもさ、世那来るかな?陽斗さぁ、指輪とネックレス着けてるけどさー、ブラジル行く時に陽斗に世那が渡した手紙…」
と奏多が言いかけると陽斗は目の前にあったタオルを投げつけた。
「痛い!陽斗!!投げるな試合前の大事な体なのに!!」
「痛いわけねーだろ!てか、お前が縁起でも無い事言うからだろ!!」
陽斗は失礼だなと言い、横を向く。
「ごめんごめん。そうだな、世那は来るよ。きっと。またやり直せるだろ?」
「…俺は別れたつもりないけどな。」
「…お前、一度も世那に連絡してないよな?ひかりとも話してないし。」
奏多は呆れ顔で陽斗を見て溜息を吐く。
「世那は世那なりに俺を困らせたく無いって決めたからあいつの気持ちを尊重して、俺はあいつとの約束を守る為にサッカーに集中したんだよ!」
「…ビビリめ…」
「何だって?!」
陽斗は奏多と部屋に転がっていたタオルや服を投げつけ合って久しぶりの日本滞在を修学旅行に行った子供の様に楽しんだ。
試合当日
陽斗と奏多、他の代表メンバー達はウォーミングアップをして試合までの時間を過ごしていた。
二人は代表入りして初めての日本代表戦の為、多少なりとも緊張していた。
「世那、来てくれるかな…」
陽斗は不安で落ち着かない。
「大丈夫だよ、陽斗。ひかりがちゃんと世那を東京に連れて来たって。」
それを聞き陽斗は安堵の表情を浮かべる。
「世那の為に頑張らないと。」
陽斗は自分自身を励ます様につぶやいた。
その頃世那達は前日に東京入りをし、ホテルで朝食を取っていた。
「世那、顔が強張ってるよ。」
みなみは世那の顔を見て「可愛いヤツめ」と笑う。
昨夜は5年振りに目の前で陽斗の姿を見ると思うと緊張のあまり眠れなかった。
洋服も陽斗が好きそうな可愛い服や靴を選んで買い、髪も美容院へ行ってトリートメントをしてもらい、手入れをして来た。おかげで髪は子供の頃の様につやつやだ。
「世那、ご飯喉を通ってなさそうだけど?」
ひかりもニヤニヤして世那を見る。
「当たり前じゃない…5年振りに実物の陽斗の姿を見るのよ?緊張しない訳…ないじゃない…」
半泣きになりながらご飯が喉を通らないと嘆きながら世那はU21戦のスマホニュースに目を通すと、陽斗のインタビュー記事が載っているのを見つけた。
「お?陽斗の取材記事?出世したねー、陽斗。」
みなみは覗き込んで記事を見て笑う。
「えーっと、5年振りに帰国して初めての日本代表戦で緊張しています。幼馴染の木村奏多選手が居てくれるので心強いです。ブラジルのチームでプレーしている様に日本代表戦でも必ず得点を入れて、日本の皆さんに喜んで頂けるよう頑張ります。だって!」
ひかりは記事を読み、「日本の皆さんじゃなくて、世那だろーが!」と笑うと世那は恥ずかしくなり真っ赤になり俯き、お茶を啜る。
「さぁ!世那さん!陽斗さんが競技場で待ってますよ!早く食べて!試合は昼からですよ!」
青葉に励まされ世那はご飯を食べ始めた。
部屋へ戻り化粧をいつも以上に綺麗に丁寧にし、髪もヘアアイロンで丁寧に綺麗に巻く。大人になってからの姿を陽斗は未だ見た事が無いので、世那は精一杯のおしゃれをした。
「おー!世那、綺麗だねー。」
ひかりが笑いながら言うと、ひよりと伊織が「綺麗に身支度できた記念に一緒に写真を撮ろう!」と喜んで撮り、世那は苦笑いをするしか無かったが、仲間のおかげで幾分気持ちが晴れた。
「じゃあ休憩!12時には控室に集合で!!解散!」
陽斗達は朝のウォーミングアップが済み、監督やチームメイトとの作戦会議を終わらせ休憩に入った。
「ひかりからメールがさっき入っていたよ。世那が今日の為に美容院行ったり、服や靴を新調して、化粧も物凄く丁寧に綺麗にやっていたって。」
奏多が嬉しそうに陽斗に話すが、陽斗は緊張して顔が強張っていた。
「陽斗?どうしたんだよ?試合前で緊張しているのか?」
奏多は相変わらずのすっとぼけで陽斗に聞くと、陽斗の口の端が上がる。
「そんな訳ないだろ!試合は平気だよ!!世那に会うのが緊張するんだよ!!」
試合より何より、世那の事で陽斗の頭の中はいっぱいで落ち着かない。
「あぁ。それで緊張していたんだ。」
「ったりめーだろ!5年も経ってるんだぞ!!お互いに大人になって…って言ってもまだ20歳だけど。」
陽斗は大きな溜息が出る上に、緊張で胃から何か出て来そうだった。
「とりあえずさ、食堂にご飯食べに行こうぜ。試合までに少し胃を落ち着けたいし。」
奏多は緊張で落ち着かない陽斗の背中を摩り、食堂へ行くように促した。
「とうとう…競技場へ来てしまった…。」
世那は国立競技場の入口で立ち尽くす。
思えば陽斗がブラジルへ旅立った日から更に勉強の鬼になり、わき目もふらずに看護師免許の取得の為だけに5年間生きて来た。
だが、周りの優しい人たちのお陰でまた陽斗と再会が出来る。けれども今でも陽斗が自分の事を女性として好きで居てくれているかは別物だ。試合へ招待してくれたのも、同級生でひかりの友人だということだけだからかもしれないと思った。
チケットの半券をスタッフに渡し、チケットに書いてある席へ進む。
「うわ!!すご!ピッチの目の前だ!!選手が目の前で見える!!」
凄い!凄い!とひよりとみなみは興奮して叫ぶ。
「世那、気に入ってくれた?」
ひかりが笑顔で世那の顔を見ると、世那は胸いっぱいという顔をして、「ひかり…ありがとう…」と、試合が始まっても居ないのに感極まり涙が出てきた。
陽斗が用意した席はピッチ中央の席で至近距離から試合がよく見える場所だった。世那に目の前で戦う自分を見て欲しくてその為だけに関係者に頭を下げて頼み込んだ。
世那は陽斗の心遣いに更に涙が溢れて来たが、ひかりたちに「化粧がはげちゃうし、泣くのならば陽斗の目の前で『ずっと…会いたかった。』と言って泣け。」と笑われた。
緊張で席に座っていると試合開始の案内のアナウンスが流れ、いよいよ陽斗の姿を見る事が出来ると世那は嬉しい反面、緊張に包まれる。
音楽が流れ、試合相手の国の選手が入場し、その後に日本代表選手が入場すると競技場内は割れんばかりの歓声に包まれた。
世那は入場する選手の顔を一人一人確認し、奏多を見つけるとその後に陽斗の姿を確認し、ひかりの手を掴み涙がぽろぽろとまた流れた。
並んだ選手を見つめていると何となく陽斗が世那の方をじっと見ている事に6人とも気付いた。
「陽斗、めっちゃこっち見てない?」
みなみは苦笑いする。
「世那さん!陽斗さん!!陽斗さんだよ!!見てる!こっち見てるよぉー!」
青葉は自分の事の様に喜び、世那に陽斗の方を見てみて!と促す。
5年ぶりに目の前で見る陽斗は中学の頃よりもまた背が伸び、顔も元々良い方だったが、更にカッコよさに磨きがかかり、ネットで見るよりも本気でカッコよく世那は感動して震えていた。
「…ヤバい…陽斗本気でカッコいい…。」
世那は両手で口を覆い、陽斗への思いが溢れ涙が出て来た。
6人で興奮しているとホイッスルが競技場に響き試合が始まった。
奏多がパスした先に陽斗が居る。陽斗は落ち着いてパスを受け取りゴールへ向かってドリブルしながら走り出し、シュートを決めると綺麗にゴールし、陽斗はチームメイトの所へ走って行き先制点を喜んだ。
「陽斗、世那が嬉しそうに見てるぞ。」
奏多は陽斗の肩を叩く。
「あぁ、わかってる。どんどん決める。世那の為に初戦突破しないとな!」
陽斗は張り切ってポジションへ戻った。
試合は相手国と点を取ったり取られたり、双方のチームも譲らずで前半戦は終了した。
試合が休憩に入ると奏多が席に向かって手を振る。
「お、奏多が手を振ってる!」
ひかりは気付き、6人は奏多に向かって手を振った。
「陽斗は…こっち見ないね。」
「試合に集中したいのよ。陽斗は昔からそうじゃない?終わった途端に緩むけど。」
世那は昔を思い出し笑う。
「先制点入れたから多分インタビューあるんじゃない?」
「あるかもね。楽しみだね。」
ひかりとみなみが言うと世那は嬉しそうに向日葵の様に微笑んだ。
後半戦が始まり、選手たちも疲れて来た所に陽斗がまたシュートを決めて会場は歓声が響き渡る。
「やったぁ!!陽斗がシュート決めたぁ!!きゃー!!」
世那は嬉しくて叫ぶ。
陽斗はその様子をピッチから見つけ微笑む。
「河崎君、さっきからあのあたりの席を見て微笑んでるけど…友達?彼女?」
チームメイトが陽斗の様子に気付き、冷やかす様に聞いて来た。
「彼女です。5年ぶりに会うんですけど…早く試合が終わって欲しいです。さぁ、あと少し頑張りましょう。勝利まであと少しです。」
陽斗は走り出した。
そして試合が終了し、日本が初戦突破した。
解説者も、競技場内も喜びで賑わっている所にインタビューが始まった。
「では!本日の先制点を入れた河崎陽斗選手にインタビューをしたいと思います!!河崎選手、お疲れさまでした!」
「ありがとうございます!」
「先制点を決めましたが、どんな気持ちでしたか?」
「チームに勢いをつけられたのではないかと思います。その後も時には苦しい状況もありましたが、皆いい状態で試合を終えることが出来、二戦目に繋げられたと思います。」
「そうですね!本当に素晴らしい試合でした!二戦目も頑張ってください!では、今日の先制点は誰に捧げたいですか?」
インタビュアーが陽斗に聞くと、陽斗は世那が居る方を見つめる。
周りの観客達も陽斗の目線の先に注目する。
「世那、今日の先制点は世那の為の先制点だ。5年間会えなかったけれど…世那に追いつきたくて、2人で約束した夢を叶えたくて必死に頑張った。世那、今でも愛してる。結婚してください。」
陽斗の突然のプロポーズに会場内はシンとする。
「世那、立って!」
ひかりが促し世那が席を立つと競技場のパノラマ画面に世那が映る。
陽斗はゆっくりと世那に向かって歩き出す。
世那は涙で視界が歪む。けれど大好きで愛している陽斗が自分に向かって歩いて来ているのは見える。
首に光る物を見つけ、世那と同じく陽斗もお揃いのペンダントと指輪を着けていた。
離れていた5年間、彼も同じ気持ちで居てくれたと思うと世那は例えようがない程嬉しくて余計に涙が溢れてきた。
そして、世那の目の前で陽斗が立ち止まった。
「本当にあなた変わらない。こんなに沢山の人たちの前でプロポーズなんてされたら断れないじゃない。」
過去にも同じ様な事を話した事があるなぁ…と思い出し、世那は泣き笑いしながら陽斗に話す。
「断るつもりだったのかよ?!」
陽斗も昔似たような事あったなと笑う。
「陽斗のいじわる。断るわけ無いじゃない。」
世那はそう言って陽斗に手を伸ばすと、陽斗は世那が落ちない様に陽斗の胸に飛び込んで来た世那をしっかりと抱き留めた。
「世那、もう離れたくない。結婚してくれる?」
「もちろんよ!!私も…もう二度と離れない。陽斗、愛してる!!」
競技場内は温かい拍手に包まれた。
一年半後…
「陽斗ー!!世那ー!!おめでとう!!」
二人は地元の海が見えるホテルのチャペルで結婚式を挙げる。
友人、家族や親せき、お世話になった人たちを呼んで二人は感謝の気持ちでいっぱいだった。
「陽斗、幸せにしてやれよ!!お前の執念で世那をゲットしたんだからな!」
悠人は小さい頃から仲良しの陽斗と大切な女友達の世那の結婚を心から喜び、それはひかりたちも同じだった。奏多は嬉しすぎると泣き、芽衣にヨシヨシと頭を撫でられていた。
「お前ら…そんな泣かなくても…」
陽斗があきれ顔で友人たちを見ると、「あのさ、破天荒で問題児で、無茶苦茶だったあんたを人にしてくれた世那には私たち友人は心の底から感謝しているのよ!」とひかりは叫ぶ。
「俺はサルか!?」
「小さい時なんてサルみたいだったじゃ無い!?はちゃめちゃであり得ない様な事ばっかりして!!それが小学校の高学年頃から無駄にカッコよくなりおって!」
ひかりは昔の様に陽斗と言い合いを始め、世那に「二人共やめなさいよ!」と笑いながら叱られた。
チャペルで式が始まり、二人は誓いの言葉を神父に続いて述べる。
「では、誓いのキスを。」
陽斗は世那のベールをそっと上げる。
目の前には小学校の頃からずっと憧れて大好きで愛している世那が居る。
「世那、俺、世那に追いつくのに必死だった。君はいつも素晴らしい人で、俺は君に相応しい人間になりたかったんだ。」
「陽斗、あなたはいつも素晴らしい人だったわ。破天荒な所があっても、いつも私を含め皆んなを笑わせようとしてくれたり、私が困っていたら助けてくれて…あなたの心根が優しくて素晴らしいのはわかってたわ。」
世那は掌で陽斗の頬を愛おしそうに撫でる。
『あなたが居てくれて、あなたと居ることに人生の意味がある。どんな瞬間もあなたと居る事が人生の幸福だ。』
二人で口を揃えて言い、幸せを感じ、互いに微笑む。
「世那、幸せになろうな。二人で。」
「ええ、もちろんよ。陽斗、私を選んでくれてありがとう。」
陽斗は世那に照れながら微笑み、感謝の気持ちを込めて口付けた。
終
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