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日曜日
日曜日。
世那は早く起きてケーキを焼いていた。
部屋も掃除して、床も雑巾がけをし綺麗に整えた。
陽斗に汚い部屋は見せられない。
何よりもイメージを損なう事だけはしたくない。
「世那、朝から何焼いてるの?」
母がニヤニヤしてキッチンを覗き込んで来る。
「見ないでよ。」
「ふーん…お母さんとお父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃんのは?」
母は横から世那の顔を覗き込む。
「作っておきます!!もお!邪魔しないでよ!!」
「陽斗君の為だもんねぇ。」
「お母さん!!」
世那は真っ赤になって怒り出す。
「はいはい。お邪魔なオンマは二階でお洗濯干して来まーす。」
「悠人、お土産要るかな…」
陽斗は部活が終わり、部室棟で居合わせた悠人に相談していた。
「俺に?お土産?やだ、嬉しい!」
「…はぁ?お前じゃねーわ。世那にだよ。」
陽斗は嬉しそうに笑う悠人にアホかと言いながら笑っていた。
「…俺にじゃ無いのかよ。世那かぁ…って!お前家行くの!?」
悠人は「マジか!?」と目をらんらんとさせ、隣で聞いていた奏多にも「やだー!卒業?!」と嬉しそうに笑われ、陽斗は二人の頭を雑誌でポコポコと叩いた。
「アホか!!責任取れない様な事はしねーよ!大切だからこそしないんだよ!」
「陽斗…あのさ、カッコ良すぎるんだよね。こないだから。」
奏多は溜息を吐きながら「彼女が出来て、まさかここまでマトモになるなんて思わなかった。」と残念そうに悠人と話す。
「お前ら…どういう意味だよ…まぁいいや。俺、そろそろ世那んち行くわ。悠人、チャリ預かってくれてサンキューな。」
陽斗はそう言って一足先に学校を出て、学校近くの悠人の家に預けてあった自転車に乗り、世那の自宅へ向かった。
〜♪
チャイムが鳴り、世那はインターホンを見ると陽斗が立っていた。
「今開けるね!」
そう言って玄関まで走り扉を開けると、陽斗がニコッとした。
「お…お疲れ様…」
「あ…ああ。お邪魔します。」
陽斗は(何か…照れる…)と思いながら家へ上がった所に居間の奥の和室扉から世那の母、祖母、祖父が覗いていた。
「お母さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん。何してんのよ!いちいち覗かないで!」
陽斗はびっくりしたが、最初が肝心と己に言い聞かせ、三人に挨拶した。
「は…初めまして!河崎陽斗です!世那さんとお付き合いさせていただいています!よろしくお願いします!」
緊張で口から心臓が飛び出しそうだ。
「初めまして。世那の母です。よろしくね。こちらは世那のお爺ちゃんとお婆ちゃんです。」
祖父母もニコニコして挨拶し、世那は恥ずかしくなって来て陽斗の手を引っ張って自室へ上がって行った。
「適当に座って。」
世那は真っ赤になりながら陽斗に座る様に言うと、陽斗も何故か真っ赤になってしどろもどろしていた。
そして二人共顔を見合わせ、何故かおかしくなり笑い出した。
「ぷっ…ははははは!何か、学校と違うから照れるな…。」
「そうだね…。陽斗、部活で汗かいていたからエアコン寒く無い?大丈夫?」
「うん、大丈夫。ありがとう。さぁ、世那、宿題見せて!」
陽斗はニコニコしてリュックの中から弁当と宿題を出した。
「は?自力でやりなさいよ。」
世那は無表情で陽斗を見る。
「…お前やっぱ基本塩対応だな…俺彼氏なのに…」
陽斗は上目遣いで世那を見るが、努力の鬼の世那は「先ず自力でやれ…。」と突き放す…が、結局わからない所があったりし、教えながら解いていく状態になった。
「…俺…受験不安になって来た。」
陽斗は基本ができてない事に凹む。
「そりゃまぁ…陽斗はさぁ、小学校の頃は常にふざけていて先生に叱られてばかりだったし、勉強の基本どころか授業妨害したり、授業中騒いだり、タブレット授業でエロサイトに繋ごうとしたり…最悪なのは低学年の頃に人様に言えない様なモノまで教室で出して見せて…ロクでも無かったわよね。」
世那は小学校時代の陽斗でも忘れていそうな恥ずかしい事をつらつらと話す。
「世那さん…よく覚えてらっしゃる…あー…何であんなイタイ事していたんだろ…。」
過去の事とは言え、思い出すと恥ずかしいことばかりで頭を抱えたくなる。
「でも…陽斗、受験って言っても推薦なら簡単な小テストとかじゃないの?作文とか…」
「うん、まぁそうなんだけどさ。でも簡単な問題も解けない様じゃ…恥ずかしいだろ?さすがに。」
「そっか…恥ずかしいという気持ちが芽生えたのね!凄い!成長したね!」
世那は嬉しそうに陽斗を見つめる。
「おまえ…母さんみたいな事言うなよ…」
「あのね、小学校3年生から同じクラスだったのよ?6年間のうち、3年間同じクラスよ?また今同じクラスだし。ずっと陽斗の成長具合見ていたんだもん。感動もするわよ。」
世那は笑う。
「どれだけ酷かったのか…泣きたくなるよ。」
陽斗は恥ずかしすぎて教科書で顔を隠すが、世那が教科書の背表紙を指で引き、真っ赤になっている陽斗を見て笑った。
”コンコン”
扉がノックされ世那の母がお茶とお菓子を持って入って来た。
「お菓子と飲み物持って来たわよー。」
母はニコニコして来て、陽斗の顔をまじまじと見る。
「ど…どうかしましたか?」
陽斗はまじまじと見られ恥ずかしさもあり緊張する。
「うん。小学校の頃はガキ大将って感じだったけど、成長していい男になったわね。良かったわね、世那。こんなイケメンが彼氏になってくれて。」
世那はニヤニヤしてくる母の背中を軽く叩き、早く出て行ってと怒って真っ赤になっていた。
「じゃあ、陽斗君ゆっくりしてってねー。」
「お母さん!!」
世那は扉を思い切り閉めた。
陽斗を見ると笑いを堪えて体が震えている。
「何がおかしいのよ?」
「いや…別に…」
世那の拗ねた顔を見て、陽斗は笑い出し思わず抱きしめた。
「ほんと、優等生だな。よしよし。」
弟を宥める様に世那の頭を撫でる。
「優等生って…ただのガリ勉よ。負けず嫌いなだけ。」
「小学校の頃から変わんねーな。拗ねると無表情になるとこ。」
「…母譲りよ。父もよくそれで謝ってる。」
「俺もそうなりそうだよ。」
「陽斗は…ならないよ。きっと、俺悪く無い!って言いそうだもん。」
「そんな事無いよ。世那にはな。俺、多分お前にベタ惚れだと思う。」
「知ってる。」
世那もそう言いながら陽斗の腕にぎゅっと抱きつき、ニコッとする。
「あ、さっきリビング通った時に甘いいい香りがしたけど…あれ、なに?」
陽斗はリビングの香りの事を世那に聞くと、世那は目が泳ぎ出した。
「あー…陽斗にケーキを焼いたんだけど…口に合うか…わからないけど…」
陽斗の為に作ったものの急に恥ずかしくなり、世那は何とか食べさせない様に仕向けようとするが、陽斗は世那の手を引きリビングへ向かった。
リビングでは母と祖父母が世那の作ったケーキを食べていた。
「世那、これ意外と美味しいわよ。陽斗君もこっち来て食べなさい。」
母はモグモグと口を動かし、陽斗にダイニングテーブルまで促し座らせ、ケーキを置いた。
「いただきます!」
陽斗が食べ出すと世那は陽斗の顔をじっと見つめて、様子を伺う。
「陽斗…どお?味…」
「うん。」
「うんって何?」
「美味しいよ。」
「良かった…美味しくないかと思った。」
「今度はクッキー食べたい。」
「わかった。また今度ね。」
世那がそう言って笑っていると玄関の扉が開いた音がした。
「あれ?パパかな?」
母がそう言うと陽斗は冷や汗が出だして硬直した。
「陽斗、部屋行こう!」
世那は陽斗の手を引き部屋へ走って行った。
「ただいま~。」
「パパ…早いじゃない…。」
母は何故こんなに早く帰って来たのだと理由を聞いた。
「機械トラブルでね。今日は生産できないから…ところでママ。玄関のあの男物の靴は何?」
父は目ざとく陽斗の靴を既に見つけていた。
「あー…世那のお友達がね…来てるの。」
「お友達って、男の子が?」
父は可愛い一人娘に悪い虫がついたのかと言わんばかりに母にどんどん詰め寄る。
「世那だって、男の子のお友達くらい居るわよ。」
笑って何とか話を逸らそうとするが、眉間に皺を寄せてどんどん言い寄ってくる。
「ママ、それはお友達では無くて、彼氏っていう立場の男じゃないのか?」
しつこく聞いて来る夫に嫌気が差し、「そんなに気になるのなら見に行け。自分で聞け!」と促した。
「なぁ世那…お父さん怖い?」
陽斗は確認してくるが、世那は苦笑いするだけだった。
話していると階段を上って来る音がする。
二人は顔を見合わせ、「とうとう来たか…」と諦めた。
「世那ー、ただいま!」
父はニコニコしてへの扉を開けると、世那と向かい合って宿題に精を出している陽斗と目が合った。
「こんにちは。」
陽斗は立ち上がり挨拶する。
「こんにちは。世那、お友達かい?」
父は探るように世那の目を見て来る。
「うん、同じクラスの河崎陽斗くん。小学校の時も3回くらい同じクラスになったことあるのよ。」
世那は腹を決めて、満面の笑みで父に陽斗を紹介する。
「初めまして。河崎陽斗です。よろしくお願いします。」
「陽斗君、君は世那の彼氏かい?」
父の突っ込みに二人は固まる。
「えと…お友達って返事したじゃない。」
「お父さん世那に聞いてないよ、陽斗君に聞いたんだよ。」
父は世那をじっと見つめ話していると、陽斗も怒られるかもしれない事を覚悟した。
「はい、彼氏です。お付き合いさせていただいています。」
父は予想はしていたが、やはり世那ももうそういう子が居るのかとショックを受ける。
「お父さん、あのね…陽斗は私が辛いと思う事があったり、困った事があった時に必ず助けてくれたり、話を聞いてくれたりするの。だから…好きになったの。お願い、陽斗との交際を認めてください。」
世那は父にそう言って陽斗の事を咎めない様に頭を下げた。
「僕からもお願いします。小学校の頃から…世那さんの事がずっと好きで…やっと世那さんに気持ちが通じて…交際を認めてください。」
陽斗も真剣だと世那の父に頭を下げると、父は二人を見て深いため息を吐いた。
「わかった…けど二人に約束して欲しい。お互いが責任が取れない様な事はしない事、学生という身分である事を絶対に忘れない事。いいね?」
陽斗は自分の父親に言われた事と同じことを言われ、改めて自分と世那の将来の為に約束すると世那の父に約束した。
父は溺愛している一人娘に彼氏が出来たことは少々気に入らないが、二人の思いに根負けし交際を認め部屋を出て行った。
「はぁ…緊張した。怒られるかと思った…。」
陽斗は安堵してその場に座り込んだ。
「お父さん、私が一人娘だから物凄く過保護なのよ。仕方ないんだけど。」
世那はそう言って笑うが、陽斗は結婚となったらあの父親が発狂しそうだと世那に言って苦笑いした。
その頃世那の父は部屋へ入り、世那の幼少期の写真を見て寂しく一人しょんぼりしていた。
「お父さんだけの世那ちゃんだったのに…。」
可愛い一人娘の恋人に殺意が芽生えそうな気持ちになっていた。
そして、アミとのトラブルから10日程経ち、世那は久しぶりに学校へ登校した。
登校し最初に職員室へ向かい、教師たちに心配と迷惑をかけた事を謝罪し、次に保健室へ向かった。
「せんせー、おはようございます。」
世那が保健室の扉を開けるとアミが椅子に座っており、世那の顔を見た途端気まずそうな顔をした。
「あ…アミ、おはよう。」
「…おはよう。頬は大丈夫?」
アミが、珍しく人を気遣う言葉を掛けてきたので世那は少し驚いた。
「ええ。アミこそ頬は?大丈夫?…あ、先生は?」
保健室内を見渡すが養護教諭の姿が見えず、アミに何処に居るのか尋ねた。
「先生、今…私の親と話してる。」
「そう…。アミ、隣いい?」
世那はアミに確認するとアミは頷いた。
「あのね、颯人の事なんだけどね、颯人は最初から…アミの事好きなんだよ。知らなかった?」
世那が突然そう言うとアミは目を見開いて世那の顔を見た。
「あのね、小学校の時…私…実は颯人に振られてるの。口にすると記憶に残るからあまり誰にも…あー…でも悠人は知ってるか。断られ方がね…ちょっとその言い方はってね…」
その時に実は颯人はアミが好きだという事を他の友人から聞かされた。
「そんな‥‥そんな事颯人から聞いてない。」
アミは困惑した表情を浮かべて世那を見る。
「うん。きっと颯人も口下手だから上手く言えなかったかもね。けれどそれは事実だから、アミは安心して颯人と交際して。陽斗は申し訳ないけど私の彼だから…誰にも渡さない。」
「珍しいわね、優等生のアンタがそんな事言うなんて。」
「ええ。だって河崎陽斗は私のものだから。彼の事、大好きだもの。絶対誰にも渡さない。じゃあ、私教室へ行くわね。朝の会始まっちゃうし、生徒会の資料も纏めないと。」
世那はそう言い残して教室へ向かった。
「世那、今日来るのかな?」
伊織は頬杖をつき、世那の姿が見えないか廊下を眺めていた。
ひかりも陽斗に今日から来るんだよね?と確認して陽斗も世那が昨夜はそう話していたと話す。
「皆んなおはよう!心配かけてごめんね。」
世那は教室へ入ると開口一番友人達に謝り、皆と挨拶をした。
「世那ぁ!!」
伊織は久しぶりの幼馴染の姿にぎゅっと抱き付き「会いたかったよぉー!」とすり寄り、ひかりも世那の元気そうな顔を見て安堵した。
担任が教室に入って来て朝の会が始まり、夏休み直前の生徒たちに受験勉強にしっかり取り組むか組まないかで受験の時に差がつく事や、夏休みの課題について話し始めた。
「受験の前に…最後の大会があるよ…。ユースの試合も盛りだくさんあるし…」
陽斗は課題を見つめながら遠い目をしていた。
ひかりも伊織も弓道の大会を目前に控え、せめて団体戦で県大会へ進みたいと目標を述べている。
「俺は野球でまぁまぁな成績が残せればいいかな?あ!でも三つ葉学園に行くのにまぁまぁな成績じゃダメか。」
「お前、野球で大成したいなら手抜くなよ。」
陽斗は悠人に突っ込む。
「陽斗!!」
奏多が陽斗の所へユースの合宿の話をしに来た。
「陽斗、8月からのシンガポールへの合宿参加するよな?」
「あぁするよ。奏多は?行くだろ?」
「うん。まぁ行くけど…高校どうする?今回の合宿参加して優秀な生徒は高校からサッカー留学出来るじゃん?選ばれたら…陽斗もちろん留学するよな?」
悠人は奏多と陽斗の話が聞こえ神妙な顔をして二人の所へ来た。
「陽斗…どういうことだよ?留学って?世那知ってるのか?」
「え…あ…まだ話していない。でも俺が選ばれるかは分からないし…」
「いや、陽斗のプレーなら確実に選ばれるよ。」
奏多が笑顔で言うと陽斗は奏多の頭を小突いた。
「二人とも、世那に言うなよ。」
「陽斗…お前まさかそんなチャンス見送るつもりじゃないよな?」
悠人は信じられないと唖然とし、奏多も勿体ないと陽斗を説得し始めようとした。
「悠人、奏多…頼む。世那には絶対に秘密にしてくれ。出来たら…世那の側に居たいんだよ。直ぐに留学しなくたって、日本のチームに入ってそこからでも…とにかく黙っていろよ。」
陽斗は二人に絶対に黙っていてくれと頼んだ。
夏休みに入り、各部活は早々に大会が始まった。
世那は部活を既に引退し、塾の夏期講習に精を出していた。
サッカーで忙しい陽斗ともメールやテレビ電話で話し、お互い実際に会って話したりがなかなか出来ない日が多かったが、スマホでのやり取りで二人は仲を深めていた。
「世那、ちょっといい?」
陽斗が短期留学へ行った頃、世那の母が話したいと部屋へ入って来た。
「うん。何?」
世那は母親を見ると何故か母親は困惑した顔つきをしていた。
母は話そうかどうしようか悩んでいたが、意を決して話し始めた。
「世那、陽斗君、今サッカーで短期留学へ行っているわよね?」
「うん。」
「悠人君のお母さんたちが話していたのが聞こえたんだけど…陽斗君、高校から本格的に海外でサッカーをやらないかってユースの監督たちから声をかけられているんだって…知ってた?」
「え?」
世那は陽斗から何も聞いておらず晴天の霹靂の様な衝撃を受け、そして血の気が引いて行く。
母はそれだけ話し部屋を出て行くと、世那は机に突っ伏した。
いつも話していても陽斗の事が何もわかっておらず、陽斗の彼女で居ることに舞い上がっていたことを恥ずかしく思った。
陽斗はいつもどんな気持ちで自分と話していたのか、本当は留学したいのではないかと思った。けれど自分と居たいというだけで留学を、チャンスを簡単に手放そうとしているのではないかと陽斗に対して腹が立つのと、本当はずっと側に居て欲しい気持ちとで頭の中はぐちゃぐちゃになって行った。
「そっかぁ…陽斗、留学話が出ているんだね。」
ひかりは泣きながら電話して来た世那の話をずっと聞いていた。
「私、陽斗には夢を叶えて欲しいの。私と居たいからなんて理由で…チャンスを手放して欲しくない。」
「でも陽斗は世那の事大好き過ぎるから簡単に留学するなんて言わないよ。」
「それもわかっているから、最悪…嫌だけど…夢叶えて欲しいから、陽斗に…別れてって言う。」
「世那?!あんたそんなことしたら陽斗グレるよ?!」
ひかりはやめてくれと叫ぶ。
「大丈夫…それなりに考えてる。明日、陽斗のご両親の所へ行ってくる。」
「え?」
「一応陽斗から話し出すのを待つけれど、きっと言わないと思うから、そしたら卒業式の日に陽斗に別れ話するって。だからご両親にはその日まで何とか留学するように説得を続けて欲しい事と、私がそれを強行しても陽斗がきちんと4月から…海外へサッカー留学出来る様に段取りしておいてくれってお願いしてくる。」
「世那…。」
世那は電話を切り、陽斗の自宅へ翌朝行くために早めに眠りについた。
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