闘病と退院と

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闘病と退院と

 あれから彼とLINEだけのやり取りになった。たまに写真を送ってくれていたけど、症状は重くなっていき、やがてたくさんのチューブをつないでいなければ、生きられない身体になってしまった。  その写真を見るのは辛かったが『待ってるから、必ず退院してね』と、ことあるごとに励まし続け、私は彼が帰って来るのを信じた。  そして、秋には病状が良くなり、彼は退院した。久しぶりに会った彼は痛々しかったけれど、 「半年って言われてたけど、それ以上に生きられたよ」 「おめでとう!」  病気が治ったわけではないけど、それでも彼が生きていることが嬉しくて、私は彼と、初めてのくちづけを交わした。
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