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こうして見つかった動物はごみと一緒に焼却されるそうだ。命だと言いながら事故に遭えば物で、死んだらごみ。まるでいなかったように灰になって忘れられる。矛盾をたくさん孕んでいる。
でもその矛盾の一つは矛盾ではなくて、たぶんどれも、必要かどうかの天秤にかけられているのだ。
誰かが必要だと手を挙げればこの猫は一個体として焼かれて埋葬される。死者を弔う儀式の半分くらいは、生者のためにあるのだと思う。大切な誰かが死んで、もういなくなったのだと理解するために必要なこと。
じゃあ人間だって、必要じゃなかったら同じように扱ったらいいのに。したくない人もされたくない人もいるのに、どうしてだめなんだろう。立ち上がって腰を伸ばすと、空の水色が綺麗だった。
――おめでとう。
足もとの塊に音にならない声をかけて、僕は通学路に足を戻した。
人間と動物、身体を構成する物質としてはそんなに変わらない。
大学の頭が見えてきて、何の折にかそう言ったら「厳密にはこの物質がなんちゃら」と理学部の友人が言っていたことを思い出した。詳細はまったく覚えていない。
けれど結局は人間だって動物であるのだし、動物を燃やせるというのなら人間も燃やせるのである。動物という条件の中に人間は収まるはずで、それともどこかがはみ出ていてそれ故にだめなのだろうか。
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