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それは、分からんでもない。頷いた僕に真木は笑った。
その時僕は真木のことをちょっと変わった人だと思ったが、真木も同時に僕のことをちょっと変わった子、だと思ったらしい。
互いに失礼を飲み込んで、少し変わった出会いをした僕たちはそれから顔を合わせれば何となく一緒に行動している。(ちなみにその失礼は後々の会話で日の目を見たが、僕は自分が言われても失礼とは思わなかったし、真木はそもそも失礼とも思っていなかったようで特に何にも発展しなかった。)
真木はうーん、と空を仰いだ。
「でもそのうち、そうやって弔う未来もあるかもしれない」
「倫理が変わって?」
「文化が変わって」
真木は、あ、羊、と一点を見つめて呟いた。僕も同じ角度で空を見たけれど、ぽくぽくと浮かぶ雲のどれを指したのか分からなかった。
「水葬も土葬も火葬も文化。まだ一般的じゃないけど、溶液に浸して骨だけにするとか、フリーズドライにして砕いて埋めて土壌にするとか、堆肥にする方法もあるらしいよ」
世間話の軽さの声に牧歌的な光景が浮かんだ。理科の授業で見た一瞬でパリパリにされてしまった薔薇の花とか、デフォルメされた微生物が生ごみをもぞもぞ分解してくれる動画とか。
対象を人間に置き換えると、一瞬で殺伐とした光景ができあがる。
「……何でもありだね」
「だからごみにするのもありなんじゃないかな」
「うーん」
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