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三者面談当日、開始時間の指定があり、面談時間は概ね30分ということだった。
面談は教室内で行われるようになっていて、次の面接者が待てるように、廊下には椅子がたくさん並べられている。平凛と二人で早めに来てそこで待っていると予定時間ごろに呼ばれた。
先生から、
「神宮寺さんと、ぇーと、お父さん?ですね?」
平凛はすかさず、
「違います!ダンナ様です!」
「え!?」
と先生は絶句してしまった…。
これでは話が進まないと思ったオレは、
「あ、いや、平凛の祖父が私の大旦那様みたいな者で、私は大旦那様より保護者を命ぜられている、岡野と申します…」
メチャメチャ苦しい言い訳だったが先生はあまり気に掛けずに話を進めてくれた。
「神宮寺さんは、ご自分の希望調査票には、「家庭に入る」と、書いていますが、これはどういうことでしょうか?」
「わた…」
オレは平凛の発言にかぶせた。
「あー、それは間違いなんですよ。本当はもちろん進学です」
それを聞いて先生は「ホッ」と一息ついて、
「そうですよね?私はこの件で校長に呼ばれたんですのよ?こんな優秀な人材を埋もれさせるのか!と…オホホ…。でも間違いで良かったです…で、高校はどちらに?神宮寺さんならどこでも行く事ができますよ?」
オレは進学先のことまでは考えていなかったので、思わず
「ここからだと、どこの高校が近いですか?」
と聞いてしまった…。
「へっ!?」
今回マヌケな声を出したのは先生だった…。
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