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「近い高校…ですか?」
「はい、平凛ならどの高校に進学しようが東大だって狙えるポテンシャルはありますから、どこでもいいんですよ」
「う~ん…そんなものではないと思うのですが…」
「先生は平凛の成績をご存じなんでしょう?平凛の頭ならどの高校でも同じですよ」
とオレはキッパリと言った。
「まぁ、近いのは公立の追手前高校でしょうか…。でも学芸や土佐なんかでも余裕で行けるのに、もったいないと思いませんか?」
「その学芸と土佐とかは、追手前とは全く違うことをするんでしょうか?」
「いえ、そういうわけではなく、「レベルが高い」ということですね」
オレはそれを聞いて安心してこう言ってやった。
「ああ、それなら問題ありませんよ。平凛はそれよりもハイレベルなんですから」
「そ…そうですね。岡野さんのおっしゃる通りです。それでは第1志望は公立の追手前としておきましょう。第2志望とかは検討中ということでよろしいでしょうか?」
「はい、結構です。よろしくお願いします」
フッ、第2志望?平凛が落ちるはずないだろ…という思いは、口には出さずに飲み込んだ…。
先生は、
「あと、大学とかのビジョンはおありでしょうか?」
とまだ聞くので、
「東大の法学部とでもしておいて下さい」
とオレは真面目に言ってやった。受ければきっと平凛なら、簡単に合格するだろう。
帰り道平凛に、
「東大、行ってみるか?」
と尋ねたら、
「少しでも近くがいいので、京大がいいです」
と、サクっと言った。平凛にとってはどこでも簡単に合格してしまうだろう。
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