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あらゆる想定を覆す人
初めての出会いは、それはもう運命的なものを想像していたし、
なんなら街角の曲がり角でぶつかりたかったし、
しいて言うなら、学校の屋上に呼び出されて告白されてみたかったわけです。
「どうしてこの人を、私は好きになったわけ…??」
実は数日前、私こと、相崎 栞(あいざき しおり)は
とある、よくわからない人に恋をするのでした。
---入学式 初日---
学校の制服が可愛い高校に行くのが、やっぱり当たり前というか。
偏差値76と割と高い朋央(ほうおう)高等学校へ入学が決まって、
正直、有頂天になっていました。
それでも母親からは、
「学生ってそんなもんじゃないの?」と同時に
「学生時代の私は可愛かったのよ?」と謎のマウントを取られました。
「どうでもいいよ…。それじゃ行ってくるね」
苦笑いをそっと返して、玄関を出る。
高校一年生としての新しい私。
桜が吹雪いて欲しかったけれど、散り散りにアスファルトを彩っていて、
肌寒い風と共に空に舞い上がるのでした。
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