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シャワーを浴びたばかりで体が火照っていた。そこへ奥様の柔らかな唇で蓋をされると、熱がこもり、ますます火照りだす。私は面食らい、奥様にされるままになっている。
後ろに押し倒された。その拍子に歯と歯が当たった。
「むん……、くく……、んむ……」
唇が塞がれているから声が出ない。けれど、唇を弄ばれると下腹部の唇も疼いてしまう。書斎にいる先生に聞かれたくなくて声を必死に我慢するが、鼻からくぐもった声が漏れ出てくる。我慢すればするほど、もともと火照っていた身体がさらに熱くなる。
愛撫に正しい順序などあるはずもないのだが、唇の次は乳房だろうと覚悟していた。だが、予想は大きく外れた。横寝の体勢で唇はキープされながら、いきなり恥丘を掴まれたのだった。ショーツの下で陰毛同士が擦れ合いジョリッと軋む音が聞こえた。真ん中の指が秘裂に食い込んで来る。
「んあんん……」
突然唇が解放され大きな声が漏れてしまった。先生に聞こえてしまったかもしれない。慌てて手で蓋をする。恥ずかしくて顔から火が出る。
「私ね……、スズちゃんのこれが羨ましくてしょうがないの。若い命が噴き出て来るみたいで……」
私はショーツに手を突っ込まれ、陰毛をがっしりと掴まれた。根こそぎむしり取られるような勢いに、奥様の心の底からの羨みをひしひしと感じた。
剛毛は私にとってコンプレックス以外の何物でもなかった。褒められたり羨まれたりしたことは今まで一度もなかった。
「命の噴出」──奥様はそう形容してくれた。半年後の保証さえない儚い命の奥様にとってはのどから手の出るほど欲しいものなのかもしれない。ならば、奥様に捧げたい。剛毛を噴出させる生命力を奥様に捧げたい。
──奥様、私の生命力を捧げます。さあ、私の命を受け取って!
心の奥底からあふれ出る思いが行動に直結した。横寝のまま奥様の細い体を抱きしめ、くちびるを貪った。舌を突っ込んだ。指を突っ込んだ。命の宿るものをすべて奥様の口に突っ込みたかった。命を吸わせたかった。
──さあ、奥様。吸うのよ! 私の命を吸い込んで!
その時私はこう思った。ああ、どうして私にペニスがないのだろうか、と。ペニスあったらそれを咥えさせ、思う存分命の種を注ぎ込むのに、と。
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